2022 Fiscal Year Research-status Report
企業のマーケティング活動における意味的価値の創出プロセスに関する研究
Project/Area Number |
21K01741
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
秋山 秀一 兵庫県立大学, 社会科学研究科, 教授 (30388889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 教授 (10410383)
猪口 純路 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (40405486)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 意味的価値 / ネットワーク / デザイン・ディスコース / 中小企業 / ネットワークオーケストレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、製品やサービスの「意味的価値」が企業のマーケティング活動やネットワークを通じていかに形成されるのか、という点について考察するものであ る。とりわけ、新しい意味の生成を伴う革新の創出には、それに関わる様々な解釈者のネットワーク、「デザイン・ディスコース」(Verganti, 2009)が重要な 役割を果たしているといった議論に注目して、主に中小企業のネットワークやデザイナー(デザイン企業等)との関わりを中心にそれらを検討していく。 初年度においては、まず国内外の文献レビューを中心に仮説の精緻化をすすめた。 本年度においては、引き続き文献研究に取り組み、デザイン・ディスコースに関連する議論を中心に、意味的価値の創出プロセスについて考察した。特に、本研究で注目している中小企業において、他社と連携してどのように価値創造を行うかという点に焦点を当てた。その際、大企業と比較して相対的に経営資源の少ない中小企業においては、デザイナーやコンサルタントといった専門家との連携によりマーケティング能力を補完することが重要になる。すなわち、中小企業が他者との関係の構築において、どのように解釈者(interpreter)、協力者を発見し、また彼らの関与をどのように引き出すのか、という点が焦点になる。この点について、ネットワーク・オーケストレーション(Dhanaraj and Parkhe, 2006)、さらに意味のイノベーション(Verganti 2009, Verganti and & Oberg 2013)の観点から検討した。それらの考察について、日本商業学会関西部会(9月)で報告した。さらにIMP Asia Conference(12月)に参加し、関連する研究の調査や意見交換を行った。その結果を踏まえ理論的な課題やさらに国内外の企業事例についての検討を行い、仮説の精緻化についての考察を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は文献レビューと並行して国内外の事例調査、特に国際見本市を中心とした事例調査を行う予定であったが、昨年度に引き続きCOVID-19の影響により、出張などの行動規制、イベントの延期など学外での活動が大きく制限されたが、国内での学会報告や、国内で開催された国際学会への参加を通じて、理論的な検討だけでなく次年度の海外調査に向けて予備的な調査を行うことができた。また関連する領域における共同研究に参加し、共著論文を執筆した。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続き文献研究、事例分析を進めることにより調査課題、仮説を精緻化し、事例調査、学術論文の執筆に取り組みたい。事例調査については、国内のデザイン導入企業や関係団体、国際見本市に出展する企業等の調査を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
COVID-19による行動規制等の影響により、出張を伴う事例調査、特に海外調査が実施できなかったため、次年度において実施することとしたい。
|
Research Products
(2 results)