2023 Fiscal Year Research-status Report
国産・輸入野菜及び冷凍野菜における価格と購買率の関係モデルの構築
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21K01747
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
朝日 弓未 東京理科大学, 経営学部経営学科, 教授 (40453823)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 購買心理行動 / 購買要因過程 / 代替え購買案 / オンラインアンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症は,購買者の購買形態を大きく変化させ,また野菜の購買形態も変化させたと推測される.独立行政法人農畜産業振興機構が示す野菜の購買形態結果からも明らかである.特に家庭内調理で使用する冷凍野菜の購買が大幅に増加している.冷凍野菜は,天候不順などにも大きく左右されることなく安定的な価格を保っており,また貯蔵性や簡便性からも冷凍野菜を使わない人がかなり減少し,冷凍野菜の新規利用者も増加したようだ. このような状況下において中規模のスーパーマーケットにおいてアンケート調査を試みた.しかしコロナ渦で対面でのアンケート調査に対して一般の消費者への受け入れは,未だ難しい状況が続いている.一部オンラインに変更し収集されたアンケート調査からは,①購買支出・購買金額からも購買者心理は,コロナ前と後では違いがみられる.②近年の物価高により食費支出額にも変化がみられる.③購買者の野菜の購買傾向にも違いがみられる. つまり購買者は,「国産野菜」の代替え購買案として「輸入野菜」だけでなく安価な「国産冷凍野菜」「輸入冷凍野菜」を比較検討し日々の購買を決めている.購買者によるその選択基準は様々であるが,国内生産者が積極的に参入していない「国産冷凍野菜」に対しては,その選択肢は少なく購買者の受け入れ購買価格も不透明のままである.本研究では,対象商品を国産品(冷凍か否か)と競合関係にある輸入品(冷凍か否か)とし,購買者の購買行動過程における違いに着目し分析を進めている. 前年に引き続き,幅広いアンケート調査の必要性を考え,オンラインアンケート調査(経済意識や価格に対する購買者意識に対するアンケート)に一部シフトした.回答の違いを考慮した上で,基礎分析はもちろんのこと、購買者の潜在意識を探るため共分散構造分析を含めたいくつかの分析を行い結果を踏まえ,モデル構築の可能性を探っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた店舗内で行う調査が,予定していたスーパーマーケットからの許可がコロナの影響があり数年間おりず,行えなかった点が研究の遅れに大きく影響を及ぼしている.店舗からの要望により,研究計画段階で予定していた購買者との接触については,「なるべく避けるよう」お願いがあった.2023年度に入ると,以前と比較し,店舗担当者の意識もコロナ前に戻りつつあるように見えつつも全く元通りとなったわけではなく,現場における調査はままならなかった.妥協案とし,追加でオンライン調査を行うことを計画した.2023年度に予備調査を行い,2024年度はじめに本調査を行いプラス店舗調査を小規模化した調査を行うなど臨機応変な対応が求められた.「オンラインで行うアンケート調査」についての利用,価格変動品目への分析,また冷凍食品品目のリスト化及び冷凍可能食品のリスト化を行った.昨今の物価上昇に伴う購買者意識の変化については分析結果にも現れているといえる.そして,分析の方向性については,対象データやアンケート調査対象は,異なるが本調査データにおいても利用できることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度より追加で行ったオンラインアンケート調査結果についてまとめ,分析を行っていく.基礎データ処理及び分析について,検証していく.その上で,追加調査が必要と判断した場合には,アンケート調査について精査し,オンラインアンケート調査及び店舗内面接調査を含め引き続き購買者の購買心理行動及び購買要因過程について確認していく.現場での調査許可が得られなかったため遅れていた調査結果のまとめ及び分析については,継続的に行っていく.また既に一部得られた結果(価格と購買率についての消費者心理行動について確認した結果)については,8月末にドイツで行われるCOMPSTAT 2024で報告し,オーディエンスよりフィードバックをもらい分析の方向性の確認及び修正を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
2023年度中も未だコロナの影響があり,現場(スーパーマーケット)での対面によるアンケート調査への消費者からの理解が得られず,調査自体を行うことが難しい状況下にあった.またこの研究では,時系列でアンケート調査を行うことにも意味があったが実施が難しくなった.しかし想定していた状況とは違うがアンケート調査の形態を一部変更することで,データ取得を試みそのため研究自体が当初よりずれ込むことになってしまった.またアンケート調査の一部修正における出費の可能性.最終年度までに予定していた人経費や学会での研究成果報告などに費用が発生することが想定されたため,円滑な研究を進めるためには,次年度への支出を予定するべきだと考え計画を変更した.
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