2023 Fiscal Year Annual Research Report
コロナ禍におけるトラック運転者の労働環境に配慮したロジスティクスの研究
Project/Area Number |
21K01766
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 邦成 日本大学, 生産工学部, 教授 (20440448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生島 義英 長岡大学, 経済経営学部, 教授 (00844028)
石原 良晃 大島商船高等専門学校, 情報工学科, 教授 (60232336)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ロジスティクス / デジタルトランスフォーメーション / 無人搬送フォークリフト / 人工知能 / パレット / 荷捌き / 荷役分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
トラック運転者不足及び長時間の荷待ちの解消を目的とする効果的な運行システムの構築, 及びその効果を検証した。トラックドライバーにはこれまで法的な労働時間の上限はなかったが働き方改革関連法の施行に基づき、労働時間が長く、年間賃金の安いトラックドライバーの待遇改善を目的とした法改正であるが、労働集約的な現場を抱える現場ではかえって人手不足に苦しむという矛盾が表面化していることがわかった。 物流センターや店舗に配送するスキームを考えた場合、トラックが長時間の荷待ちを行えば、トラックドライバーが法律で決められた1日当たりの拘束時間や時間外労働時間をオーバーしてしまう。トラックドライバーの労働時間の長時間化の一因となっているのが荷待ち、荷積み、荷卸し、荷捌きや納品などに関わる一連の作業負担である。 トラックドライバーの労働時間には運転時間に加えて、荷待ち時間や荷捌き時間もカウントされることになるので、これまでと同じような作業時間を想定していると、トラックドライバーの労働時間は上限に達してしまう。トラックドライバーが不足している状況を鑑みれば、代替運転者の確保は難しいということになる。したがって、工場や物流センターにおける迅速な荷積み、荷卸し、荷捌きが求められることになる。手作業からフォークリフトによるパレット荷役などに切り替える必要が出てくることがわかった。 また、トラック納品は先着順となることが多く、順番待ちのトラックが列を作るなど、労働環境の悪化の要因ともなってきた。しかし入荷予約システムの導入により、トラックドライバーは納品の順番を事前にクラウド経由で予約できるようにすることで待機時間を大幅に削減できることがわかった。あわせて輸送モード別の運行ルート、荷役作業などについて、標準的な設定、手順、段取りを取り決め、輸送事業者・荷主間のデータ共有や事業者間の一元管理を行う必要がある。
|