2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research on usage promotion and sales promotion for electronic and print publications
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21K01768
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
渡部 和雄 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (90244532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 邦彦 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (40315213)
梅原 英一 新潟国際情報大学, 経営情報学部, 教授 (00645426)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電子出版物 / 紙出版物 / 消費者調査 / 電子図書館 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年2月に,「紙書籍と電子書籍の“使い分け”に関する消費者分析」と題して,日本印刷学会において講演した.紙書籍は読みやすさ,馴染みやすさ,装丁や紙質,レイアウトなどで個性を出せるなどの長所がある.一方,電子書籍は持ち運びが容易,価格が比較的抑えられているなどの長所がある.読者が紙書籍と電子書籍をどのように異なる方法で使用するかについて調査を行った.それぞれの長所を如何に活かしながら利用していくかが今後両者が共存する鍵となろう. また,電子図書館のあり方についてもデータに基づいて検討し,発表した.公共図書館においては電子書籍の普及は低迷状態である.東京都市大学横浜キャンパスの図書館でも電子書籍はまだ200種類であり浸透しているとは言えない.そこで,横浜キャンパス図書館を事例に,電子書籍と紙書籍の隠れた要因をDEMOで分析した.そして,電子書籍と紙書籍のTCOを比較した.その結果,平均的には紙書籍のTCOが電子書籍を上回っていた.ただし、旅行ガイドブックのような価格差があまり開いてないものもあった.書籍ごとに価格差を調べて判断してゆくことが重要である. 新たに2021年11月に電子出版物および紙出版物に対する意識と行動について,消費者調査を行った.サンプル数は500である.消費者を紙出版物と電子出版物の両者を利用している者,主に紙出版物を利用している者,主に電子出版物を利用している者,いずれも利用していない者の4分類した.そして,特に自由に記述できる回答内容について,今まで行っていなかった字句解析を行い,分析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インターネットを使った消費者調査とその分析を進めた.また,紙書籍と電子書籍の“使い分け”に関して,消費者分析を行い,発表した.さらに,電子図書館のあり方についてデータを元に考察し,発表した.昨今の社会状況から,出張や他の人と直接会うことは控えたため,電子出版社や著者らの調査は進まなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新たな視点から自由記述を中心として,インターネットを利用した消費者調査を一層進めていく.そして,調査結果を統計解析し,そこから判明する事実と今後出版界が進むべき方向をまとめていく. また,社会の状況を見ながら,出版社や著者の調査を進めて,消費者の動向と考え合わせていく予定である. さらには電子図書館のあり方についてもデータを収集して,検討を進める.
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Causes of Carryover |
電子出版物などに対する消費者の意識調査を行ったが,費用は他の予算から支出したため,本科研費からの支出はなかった.また,昨今の社会状況のため,出張や外出により人と会ったり,意見を伺うなどの活動に制限があり,関連支出がなかった.さらに,2021年度途中に共同研究者2名に加わってもらったが,研究費を計上しないうちに年度終了となった. 次年度は電子出版物についての大規模な消費者調査(アンケート)の実施や研究者間の打ち合わせ,外部機関の調査などのために必要額を使用する予定である.
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Research Products
(8 results)