2021 Fiscal Year Research-status Report
無意識な習慣行動による小売業におけるロイヤルティの創出に関する研究
Project/Area Number |
21K01771
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
苗 苗 立命館大学, 経営学部, 准教授 (90780552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 秀穂 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (60450178)
池田 佳代 東海学園大学, 経営学部, 教授 (80559956)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブランド・ロイヤルティ / 財務的パフォーマンス / fsQCA / 日本国内消費調査 / アパレル市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存研究では、ブランド・ロイヤルティ創出のための消費者の意識的態度に焦点が当てられてきたが、無意識的習慣の影響は十分に検討されていない。本研究は、ファッション・ブランドを対象にして、実証研究に質的比較分析(fsQCA: fuzzy set Qualitative Comparative Analysis)を加えて、①刺激-反応モデル(SOR)の相互関係が無意識的な情報探索の習慣にどのように影響されているかを明らかにすること、②情報探索のパターンからブランド・コミュニティのあるべき役割とロイヤルティとの関係性を明確にすること、③日本市場における日本消費者と外国人消費者の文化的価値の差異によってブランド・ロイヤルティ形成プロセスの相違点を示すことを目的とする。現時点までには、目的の①と②をメインに研究していた。 初年度では、オンライン・ショッピングにおける無意識な習慣行動を捉える国際比較の論文2本、小売ブランドのロイヤルティ形成に関する論文1本、合計3本の論文は国際ジャーナルに掲載された。 ①Miao, M. (2021). A qualitative comparison study of information search behavior in online distribution. Journal of Distribution Science, 19(7), 61-73. ②Miao, M. (2022). Habitual mobile shopping behavior in China and Vietnam―applying complexity theory via fsQCA. Journal of Global Scholars of Marketing Science, 32(2), 313-329. ③Miao, M., Go, I., Ikeda, K., & Numata, H. (2022). Brand equity effects on financial performance in Japanese fashion market: applying complexity theory via fsQCA. Journal of Global Fashion Marketing, 13(1), 30-43.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は国際ジャーナルに5本の論文を投稿し、そのうち3本の論文が掲載され、2本の論文は査読中である。日本アパレル市場における日本人消費者調査(800名)と、今後国際比較するための日本に暮らしている外国人消費者(500)に対するアンケート調査が終了した。当初次年度に実施する消費者調査が初年度に完了したことは、今後の研究が進むための素材を揃った。 当初デザインした分析フレームワークはブランド・ロイヤルティに関わる諸要素に限定していたが、初年度にフレームワークをさらに発展させて、ブランド・ロイヤルティとコミュニティが企業の財務的パフォーマンスに与えた影響を考察することになった。これによって、本研究の実務的インプリケーションをさらに深めることができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は以下3点より進めていきたいと考える。 ①質的比較分析(fsQCA)手法は近年注目されてきて、その分析スキルを高めながら、データ分析に力を入れたいと思う。申請者は2021年よりfsQCAを研究に導入し、3本の論文を完成し、国際ジャーナルに掲載され、高い評価を得られた。研究手法のアップデートの必要性を痛感して、質的比較分析をさらに学習し、マスターしていきたいと考える。 ②2021年現時点で日本のファッション・ブランド(合計46ブランド)に対して消費者調査を終えて、消費者のブランド情報との関わり方と、ブランド・ロイヤルティの構成要素および財務的パフォーマンスに与えた影響に関する研究論文を完成した。それをベースにして、日本人消費者と日本に暮らしている外国人消費者のブランド・ロイヤルティに関する国際比較を行い、文化的価値に焦点をあてて、日系アパレル企業に対して実務的インプリケーションを提示したいと考える。 ③日本のアパレル企業数社にヒアリング調査を行っていたが、ブランド・コミュニティの運営が優れているアパレル小売業者にヒアリング調査を行い、企業が考えるローカル/バーチャル・コミュニティの役割と、ロイヤルティ創出に工夫したことを調査したいと考える。
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Causes of Carryover |
2021年度にコロナの影響で国内および海外出張に行けず、旅費を使っていなかったため、次年度使用額が生じた。次年度に研究成果を発表するために国際学会に積極的に参加したいと考える。そして、日本アパレル企業への訪問および見学に生じた使用額を使いたいと考える。
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