2022 Fiscal Year Research-status Report
流通・商業理論の再構築ー第一次産業における産直ECの可能性
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21K01772
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
加藤 司 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (50161104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 麻里 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (40320270)
濱 満久 名古屋学院大学, 商学部, 教授 (10440653)
白 貞壬 流通科学大学, 商学部, 教授 (60400074)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 有機農産物 / 流通システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、月に一度のオンライン研究会と国内有機産地の研究調査を継続した。 とくに今年度の成果としては、これまでの有機産地での実態調査研究を整理するとともに、学会での発表を見据えて、本研究を既存研究の中で理論的に位置づける作業を行ったことである。具体的には、日本商業学会での報告1件、同関西部会での報告2件以外にも、各自でテーマに即した論文を発表している。 こうした中で浮かびあがってきたのは、欧米に比べて日本における有機農産物はなぜ普及しないのかという疑問である。当初手探り状態が続いた研究であったが、ようやくその方向が明確になりつつあるのが、今年度の成果と言えよう。 先の「欧米に比べて日本における有機農産物はなぜ普及しないのか?」というリサーチクエスチョンに対する回答としては、大きく有機農産物の生産者の数が増えないこと、欧米で普及を担っている大手スーパーの取扱いが増えないことである。「鶏が先か、卵が先か」という議論に似ているが、実は、両者をつなぐのは需要者である消費者の有機農産物に関する知識や理解が不十分であるという第三の仮説に辿り着いている。日本の有機農産物の市場は現在揺籃期にあり、確固とした市場が形成されていない。その市場形成のためには、生産者と消費者との相互理解を高め、いわばともに有機農産物の価値創造を行っていくことが必要であり、それを媒介する流通業者の役割について、実証的かつ理論的に研究を引き続き、最終報告につなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、海外研究調査が実施することができなかったが、論文を発表するとともに2つの海外学会への報告を申請し、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、海外国際学会および国際シンポジウムでの研究報告を通じて、情報発信をし、海外研究者と交流することにより、共同研究の可能性を探りたいと考えている。 また、日本各地の有機農産物産地へのヒアリング調査については継続的して実施する。
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Causes of Carryover |
引き続き、コロナ禍で海外渡航が制限されていたため、海外調査を実施することができなかった。来年度は2つの国際学会で報告することが決定したため、来年度執行を予定している。
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Research Products
(8 results)