2022 Fiscal Year Research-status Report
サービス業における収益管理の役割期待の変化に関する研究
Project/Area Number |
21K01795
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
青木 章通 専修大学, 経営学部, 教授 (80338847)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | レベニューマネジメント / 管理会計 / ダイナミックプライシング / サブスクリプション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度については、レベニューマネジメントに代表される変動価格制度及びサブスクリプションのモデルを検討することを念頭に、研究を進めた。 まず、レベニューマネジメントについては、コロナ期の需要縮小時におけるレベニューマネジメントが通常の時期とどのように異なっていたか質問票調査を実施した。アンケート調査の結果、顧客数が急激に減少するなか、事業存続のために固定費の削減が多くのホテルで実施されているが、レベニューマネジメントは収益志向よりも利益志向となり、固定費を中心とした原価管理との結びつきを強めていることが明らかになった。また、中長期的な収益性の確保よりも短期的な収益確保が重視されるなか、宿泊施設の売上に影響を及ぼす要因が大きく変化しており、それが重視すべきKPIを変えていることも明らかになった。一方で、需要予測に基づき価格と販売チャネル別、顧客セグメント別に客室を分配するというレベニューマネジメントの本質的な部分は大きく変化していないことも明らかになった。 さらに、一般的に定額の課金と言われるサブスクリプションのモデルについても検討を行い、論文として発表した。サブスクリプションモデルの概要及びその目指すべき姿について考察したうえで、管理会計が(1)資本予算の技法を適用したサブスクリプション・ビジネスの評価、(2)顧客生涯価値の評価、(3)レベニューマネジメントとの組み合わせによる収益の安定性の評価という3点において貢献しうることを提示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度において、質問票調査及びインタビュー調査についても実施することができた。また、関連する論文を3本執筆することができた。最終年度に向けてさらなる検討が必要であるが、現時点ではおおむね順調に推移していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究は、レベニューマネジメントに代表される変動価格制と、サブスクリプションに代表される定額課金の問題を別個の問題として取り扱ってきた。なぜならば、それぞれに異なる論点があるからである。しかし、最終年度においては、両者を統合する形で研究をまとめたいと考えている。また、その統合の過程における課題を明らかにし、解決に向けた方向性を提示するためにも更なるインタビュー調査や質問票調査が必要であると考えている。
|
Causes of Carryover |
コロナの影響により、一部予定されていたインタビュー調査を実施することができなかった。その結果、次年度使用額が発生した。 この次年度使用額については、本年度においてインタビュー調査で利用する予定である。
|
Research Products
(5 results)