2023 Fiscal Year Research-status Report
Brain Experiment Analysis of Accounting Conservatism
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21K01812
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山地 秀俊 神戸大学, 経営学研究科, 経営学研究科研究員 (40127410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 雅敏 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (70186899)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 会計保守主義 / fMRI / 自己保険 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間の脳内でのデータの記録保管処理の延長線上に外部記録補完制度(会計制度)が試行錯誤的に長期的タイムスパンで出来上がるという発想が会計の脳実験的研究の基礎にある。保守主義会計もその発想で理解できる。すなわち費用は早めに認識計上し、収益はできるだけ遅めに認識計上するというのが会計保守主義であるが、その背後には、人間の脳が記憶の保存と処理に際して悪い驚きを良い驚きよりも無意識に重みをつけるという脳科学の発見がある。それは心理学のプロスペクト理論にも共通する。これがバス・ウェイマイアの保守主義理解である。 しかし我々はプロスペクト理論的発想と会計保守主義的発想は脳実験成果を基礎としたとき両者は異なっているのではないかと考える。バッドニュースがグッドニュースよりも早くに会計利益情報に反映されるのが会計保守主義というよりも、あくまでも同時期に付けられる費用と収益の重みの差を重視すべきと考える。そう考えたとき保守主義は費用計上と収益計上の重みの差である。そのことから保守主義会計の基本的思考は費用と収益のリスクに対する重みの差である。その発想の根拠は、自己保険の発想にある。収益に対するリスクよりも費用に対するリスクの方に脳内で重みが付される。その重みがリスクに対する自己保険の額の差として現れると考える。リスクを感じその重みをランク付ける脳部位を脳実験で探すことが我々の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2024年1月にアトランタで行われたAAAの会合で、保守主義会計の大家であるバス教授と議論する機会があった。そこでバス教授はあくまでもバッドニュースとグッドニュースの会計情報への反映スピードの差を強調されたが、我々はあくまでも費用と収益に対するリスク認識強弱にこそ保守主義の重要性があると考えた。そこで改めて脳実験の計画を練り直すことにしたために、遅れが生じたのである。
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Strategy for Future Research Activity |
保守主義会計の脳実験の実施に際して、我々の発想である、費用のリスクと収益のリスクの重きの差こそが保守主義の基本であると考える。リスク評価の重きの差を脳内のどの部位が付与しているかを見定める。特に保守主義会計を自己保険と仮定して、実験を進める我々としては、リスクの大小を脳内のどの部位で反応しているかを確認したい。具体的には偏桃体やSPLが保守主義脳実験で見いだせるような実験計画を立てる必要がある。
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Causes of Carryover |
脳実験の仮説を明確化するのに手間取って実験計画が立てられず、実験を断念していたから。そのために実験の実施を延長する必要があった。
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