2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K01818
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
佐久間 義浩 東北学院大学, 経営学部, 教授 (20512065)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 監査上の主要な検討事項(KAM) / 監査報告書の透明化 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本でも、KAMの開示を求める監査基準が適用され、KAMに関するデータが増加している。そうした状況もあり、日本市場を対象としたKAMに関する実証研究も徐々に蓄積されつつある。しかし、日本におけるKAMに関する研究は、KAM導入前後ほどの勢いがなく、現状においても実証研究の研究実績は非常に乏しいといえる。制度改革の検証を行う上で、一定期間のKAMのデータをまとめ、そのデータを用いてKAMについての複合的な観点からの分析が、今後、更に必要となると考える。そうした背景をふまえ、本研究は、KAMの開示による影響について多角的な観点から分析することを主たる目的として行われる。 令和5年度は、本研究において分析の際に用いられるデータベースの作成を行うとともに、本研究のベースとなる実証モデルの修正を行う計画であった。だが、令和5年度は、開示された監査報告書に記載されたKAMに関するデータを一部手作業で入力したものの、計画したレベルのデータベースの構築にまで至らなかった。しかし、追加したKAMのデータを用いて、サンプルを限定した形で予備的な分析を行った。その研究成果については、令和6年度に学会での報告を予定している。 令和6年度は、これまで作成してきたデータベースをさらに精緻化し、検証テーマに関する分析を行うことを計画している。並行して、先行研究を調査するとともに、積極的に海外を含めた学会での報告を行う。あわせて、海外ジャーナルへあるいは国内雑誌への投稿を通じて研究成果を還元することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和5年度は先行研究のレビュー及びKAMの開示データの収集を中心に行った。そのため分析に用いるデータベースの構築が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を推進するべく、これまで収集したデータを早急にデータベース化する。あわせて、適宜、分析を実施する。
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Causes of Carryover |
令和5年度は先行研究のレビューを中心に、KAMの開示状況の把握に予想以上に時間を要した。さらにCOVID-19の影響等により、予定していた出張・支出がキャンセルとなってしまったため、基金を使用するタイミングを逸した。 KAMの開示データの収集を行い、データベースを拡張するとともに、あわせて研究成果を国内外の学会等または学術雑誌で積極的に公表していく。
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