2021 Fiscal Year Research-status Report
多変量解析を用いた無形資産価格を見積もるソフトウェアの開発
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21K01819
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
吉岡 剛志 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 講師 (20580426)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 無形資産 / 回帰分析 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,企業の資産の中で無形資産の占める割合が高くなっているにも関わらず,その大半が貸借対照表に計上されていないため,無形資産の評価について広く研究が進められている。本研究では,会計学の観点からではなく,数学的,客観的に無形資産を見積もる方法を確立することを第一の目的としている。具体的には,数学の一分野である多変量解析を用いて,無形資産の評価額を見積もる方法を確立し,それを実装したソフトウェアを開発することを目的としている。多変量解析の中でも,回帰分析を用いた方法を用いるため,機械学習を用いた手法を用いている。 本年度は機械学習を用いた無形資産の評価方法を提案し,その方法に基づいた貸借対照表に計上されていない無形資産が潜在する可能性がより高い企業を抽出する方法を提案し,その検証を行った。まず初めに機械学習を用いて無形資産を予測するモデルを構築した。モデルの構築にあたっては,日経225を構成する電気機器の業種の28銘柄の財務諸表のデータを用いた。目的変数として無形固定資産のデータを,特徴量として財務諸表に記載されている項目のデータをモデル構築のために準備した。ホールドアウト法を用いて回帰分析による機械学習モデルを構築し,決定係数を用いてモデルの評価を行った。続いてこの作成した機械学習モデルを用いて無形固定資産の評価額を見積もった。この機械学習モデルで見積もった無形固定資産の評価額を横軸に,貸借対照表に計上されている無形固定資産の評価額を縦軸にプロットした散布図を作成し,その散布図の45度線よりも下側にプロットのある企業を,無形固定資産が潜在している可能性がより高い企業と判定できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,1)多変量解析を用いて無形資産を評価する理論の確立,2)多変量解析を用いて無形資産を評価,3)多変量解析を用いて高精度に無形資産を評価,4)ソフトウェアの開発,という順で研究計画を推進している。本年度において,1)と2)について概ね予定通り達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は申請時の研究計画を概ね予定通り達成できたので,次年度以降も申請時の計画に従って研究を進めていく予定である。次年度は高精度に無形資産を評価する手法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
端数として発生した額であり,次年度の経費として使用することとした。
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