2023 Fiscal Year Research-status Report
女性会計士のキャリア形成とその問題点:ロールモデル提供側と使用側からの分析
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21K01822
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
松原 沙織 獨協大学, 経済学部, 教授 (10514961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 貴宏 神戸大学, 経済経営研究所, リサーチフェロー (20649321)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 公認会計士 / 監査法人 / パートナー / ロールモデル提供者 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,ロールモデル提供者側のインタビューを終え,提供者の視点から論文を執筆し,国際ジャーナルへ投稿した.具体的には,Adamson&Kelan(2019)とDelbridge & Edwards (2013) の枠組みから,これまで行ったインタビューデータを分析し,監査部門で働く女性パートナーの特徴を導き出した. さらに,当該研究を続ける中で,「人生100年時代」と「雇用の流動化」を迎え,監査法人 でパートナー まで昇り詰めた人々をはじめとして,「監査法人後」のキャリアが重要になってきていることが明らかになった.そこで,女性パートナーの働き方に関わる研究を拡張し,退職後のパートナーの働き方とロールモデルの特徴についても調査を進めた.当該研究成果は,国際ジャーナルへ投稿している. 研究成果として下記が挙げられる. 松原沙織「退職と公認会計士のキャリアー「人生100年時代」における更なる飛躍を見据えて」『会計・監査ジャーナル』第35巻,70頁~78頁. Azambuja, R., Baudot, L., Endo, T., Matsubara, S., Wallace, D. “Unbecoming’ a Professional: Organizational Memory in Retirement from Professional Service Firms in Japan and the US,” Critical Perspective on Accounting Conference, July, 2023.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に研究が進み,ロールモデル提供者側の論文を執筆し,国際ジャーナルへ投稿することができた.また,海外の事例(アジア:ベトナム)と比較することにより,日本の女性パートナーの働き方がより一層鮮明になった.さらに,監査法人で働く女性パートナーに関する研究から着想を得ることにより,退職後のパートナーの働き方とロールモデルに関わる研究に着手することができた.具体的には,人生100年時代や雇用の流動化をキーワードとする社会情勢を踏まえ,大手監査法人で活躍してきたパートナーが,どのように退職を経験し,これまで培ってきた経験や知識を生かしながら,社会経済活動へ寄与し続けるのか検討している.当該研究成果は国際ジャーナルへ投稿している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定を拡張して研究を進めていく. 【2024年度】「女性パートナーの働き方に関する研究」および「パートナーの退職後の働き方に関する研究」について国際学会で報告を行い,論文をブラッシュアップする. 現在,国際ジャーナルへ投稿中の論文について,レビューに基づき修正を重ね出版を目指す.
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Causes of Carryover |
2022年度に英国で打ち合わせを行う予定であったが,Covid19 により渡航することが難しい状況になってしまった.同様の理由で共同研究者を日本へ招聘することも難しかった. 人件費に関しては,予定よりも安価な文字起こし業者へ依頼することができた.
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