2021 Fiscal Year Research-status Report
目標原価の設定方式の変更と変更順序が目標原価に対する態度に与える影響
Project/Area Number |
21K01826
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
荻原 啓佑 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (90843962)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 原価企画 / 目標原価 / 目標設定 / 管理会計変化 / エンジニアの態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,目標原価の設定方式の変更と変更順序が目標原価に対するエンジニアの態度に与える影響を明らかにすることである。 今年度は,目標原価の設定方式の変更パターンの中でも,特に大きな変化である,加算方式から控除方式への変更に注目した。そして,この変更パターンが原価企画に携わるエンジニアの目標原価へのコミットメントに与える影響に関する分析を行った。この成果は,国内学会で発表後,国内の会計学術誌に論文として投稿されている。上記の研究と並行して,原価企画に携わるエンジニアの職務業績や原価低減業績に影響を与える要因に関する分析も行った。これらの変数は,目標原価に対するエンジニアの態度と関連する可能性があるためである。分析には,製造業で原価企画に携わるエンジニアを対象としたウェブ調査や原価企画を再現した実験室実験によって収集したデータを用いた。成果の一部は,国内の会計学術誌に論文として掲載されている。 また,研究方法に関連して,インタビューを用いた管理会計研究の文献レビュープロジェクトに参加した。インタビューの研究方法論を学ぶことは,本研究の目的の達成に貢献する可能性があるためである。このプロジェクトでは,海外の管理会計研究において,QDA(Qualitative Data Analysis)ソフトウェアがどのように用いられ,その結果がどのように報告されているかを調査した。プロジェクトの成果は,国内学会で発表後,国内の会計学術誌に論文として掲載が予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ウェブ調査によって,収集したデータの分析を終え,学会発表および論文投稿までを完了させられたためである。また,原価企画を再現したタスクを用いて実験を行うこともできた。ただし,本研究と関連の深い,管理会計変化に関する文献レビューが不足しているため,これは次年度に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,分析モデルの拡張を目指す。モデル拡張のためには,文献レビューやインタビュー調査が必要である。また,拡張したモデルをより頑健なデザインで検証するために,因果推論に関する書籍や論文のレビューを進めていく。ウェブ調査ではなく,原価企画を再現したタスクを用いて,モデルの検証を行う場合には,タスクの大幅な改良が必要になると予想される。これらの作業が完了した段階で,再度調査や実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学会へのオンライン参加や追加のウェブ調査の代わりに,実験を行った結果,費用を予定より抑えることができた。次年度以降のウェブ調査や実験に活用する。
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