2023 Fiscal Year Annual Research Report
新型コロナ禍における行動の変化と社会階層: 地域における社会関係資本に着目して
Project/Area Number |
21K01845
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
村瀬 洋一 立教大学, 社会学部, 教授 (50301578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 賢志 熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (00380676)
石原 英樹 明治学院大学, 社会学部, 教授 (20282494)
河村 和徳 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60306868)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会階層研究 / 災害研究 / コロナ禍 / 東日本大震災 / 社会関係資本 / 原子力発電 / 行動変容 / 統計的社会調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、震災復興期間を過ぎつつある地方中核都市の仙台市と、首都圏の東京都において統計的社会調査を実施し、地域比較をしつつ、コロナ禍における人々の態度や不安感、自粛などへの協力意識や行動について解明することを目的とする。20歳以上の住民を対象として社会調査を実施し、今年度はデータファイルを完成させてデータ分析を行った。主な研究目的は、自粛意識や現在の社会認識と、人間関係保有などの社会関係資本や、社会的地位との間に関連があるかについて解明することである。これは社会学における典型的な「秩序問題」であり、日本社会においては、法律的な罰則や罰金などの強制はないが多くの人が協力行動をした。自粛への協力が多かったが、周囲の目を気にして同調圧力が強い社会であり、過剰反応や、経済再開の遅れも指摘された。 調査結果を見ると、仙台市は東京よりも感染者は少ないが、自粛は多かったと言える。構造方程式モデル(SEM)で分析した結果、「自粛はよくない」という意識に対して、年齢や主観的な社会階層(階層帰属意識)、住民票なしダミー変数などが規定力を持っていた。また、「副反応があってもワクチンを打つべき」という問に対して、年齢、教育年数、主観的健康観、主観的社会階層などが効果を持っていることが分かった。また、東京調査に関して、コロナ禍前後で生活が変化したかどうかと、その変化に対する満足感との関係についてのクロス集計結果では、暮らしが変化しなかった層が満足、変化したと回答した層が不満と回答する傾向があった。 上記の調査とは別に、調査会社に登録している人(モニター)を対象として、2023年12月に、東京都全域を対象としたインターネット調査(web調査)も行った。東京都調査と比較すると、ネット調査は、居住地の偏りはとくになかったが、ネット調査の方が非正規雇用が多く、主観的階層が低めで、主観的健康観も低かった。
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Research Products
(15 results)