2022 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本の「悪書追放運動」をめぐる比較メディア史的研究
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21K01851
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
大尾 侑子 東京経済大学, コミュニケーション学部, 准教授 (50816569)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メディア史 / 歴史社会学 / 白ポスト / 悪書追放運動 / 悪書 / 有害環境浄化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「戦後日本の「悪書追放運動」をめぐる比較メディア史的研究」は、戦後の「悪書追放運動」がいかに姿を変えながら継続されてきたのかを比較メディア史的に分析し、通史的体系化を行うことで、1945年から現在に至るメディア文化の「有害」性にかんする社会認識や人々の活動の変遷を解明することを目的とする。以上の目的を踏まえて、2022年度は以下のとおり研究調査および報告をおこなった。 第一に、フィールドワークを実施し、各地での有害環境浄化活動がどのように遂行されているのかを調査した。2022年8月には石川県、富山県、福井県にて、2023年3月には兵庫県(姫路市、尼崎市、宝塚市)にて調査をおこない、有害図書回収ポストの設置箇所の確認、および教育委員会ほか運用主体の方々への聞き取り調査をおこなった。第二に、上記の研究調査の結果を現代風俗研究会で発表(予定が後ろ倒しになったため2023年7月に実施)、および論文執筆をおこなっている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍以降に白ポストが撤去された地域も多く、科研費申請をおこなった時点で想定していた進捗とは異なる状況にある。また学術論文の執筆による研究成果の公開については、2022年度に実施が困難であったため、2023年度に繰り越して成果発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、長崎県と広島県での白ポストの実地調査を行う予定である。また2022年度の調査結果については、2023年7月に研究会にて口頭発表をおこなうとともに、メディア研究関連の学術雑誌に投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は長崎県、広島県、また可能であれば山梨県での実地調査を行う予定であり、その際の旅費などが必要となる。また昨年度の実地調査の結果を、日本メディア学会、日本社会学会などで発表予定であり、これに伴う学会誌投稿、および学会参加費、出張費を支出する。以上にくわえ、歴史的研究をおこなう本研究課題の性質上、史料の購入が必須となる。
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