2021 Fiscal Year Research-status Report
外国人介護労働者の(脱)技能化制度が労働適正化に及ぼす影響に関する国際比較
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21K01852
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Research Institution | Ohtsuki City College |
Principal Investigator |
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 技能 / 介護 / 外国人労働者 / 入国管理制度 / 介護制度 / 職業教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は外国人介護労働者の適正かつ良好な就労環境を決定する複合的な要因を解明することにあり、具体的に以下3点の解明を目指している:(1)入国管理制度において、外国人介護労働者の入国前の技能がいかに評価され、また入国後の技能化及び資格化及びキャリアの向上が可能・制限されているのか。(2)入国後の外国人介護労働者の労働条件の好転や技能認証はいかに実現しているのか。(3)国内外のいかなる教育・交流活動や外国人労働者の権利向上運動やその組織化が、受入国における彼らの実際の就労環境や労働条件の改善、及びキャリアの向上に寄与しているのか。 2021年度は、本研究課題の1年目であり、特に上記(1)を中心に研究を遂行した。具体的には、日本における外国人介護労働者に対する4つの入国管理制度すなわち、EPA,在留資格「介護」、技能実習そして、等低技能の4つの制度において、それらの下で、外国人介護労働者が入国前に、いかなる学歴、言語コミュニケーション能力、職業能力等を要件として求められているのか、また入国後(あるいは入国前)にいかなる職業・言語教育を受けることが可能になっているのか、また4つの制度間でのモビリティーの寛大さ、そして国内の介護労働者向けの資格及び職業教育制度との内容の互換性やモビリティーの高さがいかに設定されているのかについて検証し、研究論文にまとめ、現在国際ジャーナルに投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid19の影響を受けて、2020年終了予定であった科研課題(18K02057)が2年間延長となった影響があり、当該課題と本研究課題を並行して取り組んでいるため、本研究課題の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年5月の現時点では、本研究課題は研究計画通り、遂行する予定である。当初の研究計画では、2022年度には、上記研究目的(2)を中心に、日本とイタリア双方におけるヒアリングを実施する予定である。しかしながら、特にイタリアについては、2020年以降Covid19による高齢者の犠牲者数が最も多い国のひとつであり、いまだ高齢者介護領域に対する影響があること。加えて、日本と異なり外国人家事労働者が高齢者ケアの多くを担うイタリアにおいて、その主要送り出し国はウクライナを筆頭とする東欧諸国であるが、2022年初頭からロシアのウクライナへの軍事侵攻が続いており、今後長期化も予測されるため、ウクライナからの難民受け入れや、あらたなウクライナ人労働者に対応が迫られる中、本年に当初の研究計画通りの聞き取り調査を実施が危ぶまれるリスクが大きく、その際には、代替的な研究計画を考慮する必要がある。
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Causes of Carryover |
上述の通り2021年度は他の研究課題と並行して研究を遂行しており、Covid-19の影響もあったため、文献調査を主に行った。2022年度には、当初の計画通り、研究費を使用する予定である。
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