2021 Fiscal Year Research-status Report
現代の地方都市における自治会の現状と課題-上田市自治会の事例-
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21K01857
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 康行 新潟大学, 人文社会科学系, フェロー (40170790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 万紀 都留文科大学, 教養学部, 講師 (30724009)
相川 陽一 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90712133)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自治会の変化 / 地域自治 / 地域社会の変化 / 自治会と民主主義のつながり |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまで上田市上塩尻自治会の資料を収集し分析してきた。その成果を共著1冊と論文2本にまとめてあらわした。著書のなかで研究代表者が分担した箇所は、江戸時代に成立した上塩尻村の割山議定書の中身について第1次資料を翻刻し詳細に明らかにしたものである。江戸時代においては、同族が家を補償する関係にあり、家連合によって割山が共同管理されていた。 論文のひとつは、自治会が割山をどのように管理してきたのかという経緯を第1次資料を用いて描いた。自治会は歴史的に財産管理という重要な仕事をしてきた。この区有林の存在は、従来、地域が共同体をなす物質的基盤として考えられてきたものである。しかし、こんにちに至る裏山管理の経緯を検討すると、時代に合わせて裏山管理の意味が変化していた。端的に言えば、現在では裏山は薪・薪炭をとる場所から水害・土砂崩れ・獣害を防ぐ場所へと意味が転換していたことがわかった。 もうひとつの論文は、地方行政制度が同じで文化も共通している同じ小学校区の3つの自治会の組織と活動を比較し、そこから各自治会の独自性と共通性を明らかにした。調査票調査をおこなう上塩尻自治会について、事前に調査をおこない、2年目の今年度に実施する調査票調査を作成するために事前に調査研究した。 そのほか、研究分担者と一緒に2年目の今年度の5月に実施する上塩尻区の親子の世帯状況や労働状況、近隣とのつきあい、新型コロナによる困難な状況、自治会や市に対する要望等を調べる調査票を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はこれまで調査研究してきた成果を著書および論文として出版した。併せて、上田市・上田市自治会連合会事務局・上塩尻自治会役員の人びとと面談し、2022年5月に上塩尻区で調査票調査をすべく事前に打合せをし家計機関から調査許可を取った。また、研究分担者と議論を積み重ね、調査票を完成させ印刷した。 2022年5月に上塩尻自治会役員から会員へ調査票を配付してもらう協力を得た。また、自分たちでアパート居住者に調査票を配付するために日程を調整し、配布するアパートの特定化をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年5月に上塩尻区の全戸に調査票調査を実施し、同年6月に調査票を回収した後、7月に統計処理する会社に業務委託しデータをEXCELに記入する。その後、研究代表者と研究分担者で共同して統計処理をおこなうとともに、上田市の全自治会を対象に調査票を実施するため事前に調査票を作成し、併せて上田市、塩尻地区、上塩尻区の人口・世帯・産業等の推移について統計を整理した論文を執筆する予定である。 2023年度には上塩尻調査票調査の報告書を作成印刷するとともに、上塩尻区の調査データを整理し論文を執筆する予定である。併せて、上田市の全自治会を対象に調査票を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は調査票を作成し、上塩尻自治会役員らに面談し調査許可を取ればよかったが、次年度の2022年度は調査票の印刷費、調査票郵送費、業者への集計委託費、調査旅費等と調査に伴う多大な経費の支出が予想される。そのため、本年度から次年度へ予備費を回せるようにした。
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Research Products
(3 results)