2024 Fiscal Year Annual Research Report
個人化社会における公共圏・親密圏の変容とジェンダー―ライフヒストリー分析から―
| Project/Area Number |
21K01876
|
| Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
杉原 名穂子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00251687)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村尾 祐美子 東洋大学, 社会学部, 准教授 (20408959)
喜多 加実代 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (30272743)
千田 有紀 武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
石川 由香里 立正大学, 文学部, 教授 (80280270)
中西 祐子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (90282904)
|
| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
| Keywords | ライフヒストリー / ジェンダー / 個人化 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は個人化社会においてジェンダー規範がどのように流動化し変動したのか、昭和から平成の時代に生まれた人々を対象にそのリアリティを描き出すことを目的とするものである。2024年度は前年度に引き続きライフヒストリー調査を実施するとともに、研究会を開催し調査内容と研究枠組み、理論的な課題、現代日本社会の現状と問題について議論を行った。 ライフヒストリー調査では、前年度に行った新潟市調査のうち未実施だった1名に加え、秋から冬にかけて東京都において調査協力に応じてくださった方7名を対象に行った。期間全体で新潟市9名、東京都区部7名、合計16名の方に実施した。内訳は年齢は30代3名、40代6名、50代7名、性別は女性8名、男性8名である。学歴は高い傾向にあり、最終学歴大学院5名、大学7身、短大・高専2名、専門学校1名、高校1名となった。調査の分析は進行中であるが、現在の段階で描かれたこととして以下がある。 個人化社会についてZ.バウマンやJ.ヤングは「カテゴリーから個人へ」と特徴づけ社会規範の流動性を強調して論じたが、本調査ではカテゴリーの流動性が新たな排除の感覚を生み出していることがわかった。社会規範の流動性はグローバル化の進展やインターネット、SNSなどのメディアの発達により文化的包摂が進む中で進行した。それにより、たとえば、「発達障害」や「LGBT」などの新たなラベリングが詳細な知識をともなくことなく拡散し、当事者に新たな生きづらさの感覚を生み出していること、個人化の進展は差異を顕在化させない当事者の技法をうみだしていること、文化的包摂の中で、人々の関与が減少し、お互いのリアリティが言説から乖離し、そして異質なものへの攻撃性と分断が生じていることへの危機感が生じていること、「父親」の姿の変容などが描写された。
|