2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Work and Care Work by Female Immigrants with Degrees of Higher Education
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21K01879
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
賽漢卓娜 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (20601313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田 ゲン お茶の水女子大学, 学生・キャリア支援センター, アソシエイトフェロー (10849061) [Withdrawn]
大野 恵理 獨協大学, 外国語学部, 専任講師 (40820022)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 移民女性 / ライフコース / 高学歴 / 中国人 / ケアワーク / ワーク / 非標準世帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者、研究分担者、海外研究者(元共同研究者)で研究会を実施し、高学歴中国人移民女性の子育て経験、トランスナショナルな育児サポート・役割分担、「非標準」世帯女性の不可視化というテーマを議論した。その結果、比較の視点としての、コロナ、他のエスニックグループとの違いなど、多角的に捉えるべきことを確認し、高学歴移民のライフコースを捉える際には、中国人移民グループを意識することが重要であることを確認した。 具体的には、アンダーコロナにおける30代の中国人夫婦の子育てサポート資源の利用選好の特徴として、育児の外部化の可能性とともに、育児のクラウド化が見られた。そして、40代、50代の中国人女性のケアワークとワークの実施について、多くの場合は高学歴妻(祖父母の一時的な育児援助あり)が子育てを引き受け、「職業の禁欲」が伴い、正規雇用が断念したが、子どもの成長/ライフステージに沿って就業を計画していることが分かった。最後に、シングルマザーなど「非標準」世帯女性の女性の日本でのケア(子育てや介護)を考えるために、フィリピン、ベトナム人女性と比較すると、日本社会において不可視性があり、支援が得られず孤立される可能性があることが考察されている。 今後、調査を深化し、論文化する試みをする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
愛知、横浜、新潟などでの調査を予定していたが、コロナの影響を受けて、移動の制約や本務校での職務などの点から、調査をしにくい状態があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
各研究者がそれぞれの調査を進めながら、数カ月に1回のペースで研究会を実施する予定である。今年度では、中国人高学歴移民女性を中心に、ほかのエスニック・グループ出身の移民女性および高学歴でない移民女性との比較を念頭に対象者を拡大し、中部地域および九州地域在住の1960年代と1970年代生まれのコーホートを対象に対面式インタビュー調査を、関東地方在住の1980年代生まれのコーホートを対象にオンラインまたは対面式インタビュー調査を、さらに関東地方在住の非標準世帯の移民女性を対象に対面式インタビュー調査を、実施する予定である。協力者を確保して共同調査を行う調整も行っている。
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Causes of Carryover |
現地調査がコロナ等の影響でしにくい状態にあったため次年度使用が生じ、同様の費目で次年度以降で資金を使用することとなった。
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