2021 Fiscal Year Research-status Report
死にゆくことを対象としたコミュニティケア政策における医療の関与―韓国を事例として
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21K01890
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
株本 千鶴 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (50315735)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 死にゆくこと / コミュニティケア政策 / 医療の関与 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の第1段階および第2段階に設定した研究事項の一部を実施した。 第1段階:(1)研究仮説の設定;本研究の問いは、「韓国での死にゆくことを対象としたコミュニティケア政策で医療機関や医療専門職はどのように関与しているか、また、関与における課題は何か」である。これに対して、各種文献・資料を参考とした結果、「圏域別ホスピスセンター事業や地域社会統合ケア(コミュニティケア)のモデル事業において中心的あるいは側面協力的に関与しており、コミュニティケアでは関与のあり方は地域ごとに多様である。課題は、コミュニティケア事業推進主体と医療機関・医療者組織あるいは他のケア提供機関との協力関係構築、訪問診療を対象とした診療報酬の設定、医療者に対する終末期ケア知識の教育、医療の市場化傾向の是正などである」と仮説を立てた。これら仮説を検証する方法としては、圏域別ホスピスセンターおよび地域社会統合ケア事業を実施する機関の関係者へのインタビュー・参与観察調査が妥当であると判断した。(2)コミュニティケア政策でのEOLC(終末期ケア)に関する先行研究の収集・検討;英語・日本語文献、韓国語文献を入手し、仮説の検討等に活用した。論文・報告書等は、国内外のデータベースを利用して入手した。英語・日本語書籍は国内書店を通じて購入した。韓国語書籍は、専門書店を通して購入した。(3)学会参加による関連研究の最新動向把握;日本サイコオンコロジー学会総会、日本緩和医療学会学術大会、日本死の臨床研究会年次大会等に参加し、関連研究の最新動向を把握した。 第2段階:(1)関連機関刊行の資料調査;保健福祉部、健康保険公団政策研究院、中央ホスピスセンター、地域社会統合ケアモデル事業実施自治体等が作成した関連資料を調査し、収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
夏季・春期休暇中に韓国でコミュニティケア政策担当者・研究者を対象とした資料調査とインタビュー調査を予定していたが、韓国現地での新型コロナウイルス感染症の拡大状況が収まらなかったため、実施できなかった。また、韓国現地での専門機関や図書館などを直接活用しての文献調査もできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の第1段階と第2段階での未実施の事項と第3段階の事項を実施する。 第1段階未実施分:(1)韓国現地での先行研究調査、(2)コミュニティケア政策担当者に対する資料調査とインタビュー調査、(3)インタビュー・参与観察調査準備 第2段階分:(1)インタビュー調査・参与観察調査:コミュニティケア政策でのEOLC関係者(圏域ホスピスセンター、地域社会統合ケアモデル事業実施自治体)に対するインタビュー・参与観察調査の実施、(2)文献補足調査:韓国語文献の場合、現地で収集、(3)学会参加による関連研究の最新動向把握 韓国の新型コロナウイルス感染症の感染状況や政治社会状況によっては、現地調査を実施できない可能性がある。その際は、可能な研究作業のみを行い、未実施の事項については、次年度に実施することとする。
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Causes of Carryover |
夏季・春期休暇中に韓国でコミュニティケア政策担当者・研究者を対象とした資料調査とインタビュー調査を予定していたが、韓国現地での新型コロナウイルス感染症の拡大状況が収まらなかったため、実施できなかった。また、韓国現地での専門機関や図書館などを直接活用しての文献調査もできなかった。これらの事情により、助成金を計画的に使用できなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度(2022年度)の助成金については、2021年度に実施できなかった調査等を遂行するために使用する。 (1)韓国現地での先行研究調査、(2)コミュニティケア政策担当者に対する資料調査とインタビュー調査、(3)インタビュー・参与観察調査準備、(4)インタビュー調査・参与観察調査:コミュニティケア政策でのEOLC関係者(圏域ホスピスセンター、地域社会統合ケアモデル事業実施自治体)に対するインタビュー・参与観察調査の実施、(5)文献補足調査:韓国語文献の場合、現地で収集、(6)学会参加による関連研究の最新動向把握
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