• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

子育て支援組織における他人の子どもに対する指示と注意の会話分析的研究

Research Project

Project/Area Number 21K01895
Research InstitutionKobe College

Principal Investigator

戸江 哲理  神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (10723968)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords子育て支援 / 会話分析 / エスノメソドロジー / 家族社会学 / フィールドワーク
Outline of Annual Research Achievements

今年度中に出版された著作の1つ目は、松木洋人・中西泰子・本多真隆編『基礎からわかる社会学研究法――具体例で学ぶ研究の進めかた』に収められた「会話分析でやりとりからフィールドを描き出す」である。本書はタイトルからも察せられるように、初学者が何らかのデータにもとづいて社会学の研究を進める方法を、具体例を交えて平易に説いた入門書である。紹介される研究手法は、質的なデータを扱うもの、量的なデータを扱うもの、そして資料を扱うものの3種類に大別され、私は質的なデータにもとづく研究法のひとつとして、この章を執筆した。そこで私は、会話分析の基本的な発想と一般的な研究の手順を説明したうえで、子育てひろばでのフィールドワークにもとづく会話分析的な研究からの具体例を検討し、やりとりのしくみからそのフィールド固有の特質(「らしさ」)を剔出する道筋を示した。
2つ目の著作は、日本家族社会学会編『家族社会学事典』に寄稿した「エスノメソドロジー・会話分析」の項目である。多数の学会員が協力して、広範な論点をそれぞれコンパクトに整理した、大部の事典となっている。先の項目は、「家族社会学の理論・アプローチ」の部門に収められている。見開き2ページのなかで、欧米での研究、国内での1990年代・2000年代の研究、そして国内での2010年代以降の研究と、3つのセクションに分けて、これまでの研究の蓄積について概説した。
前者は教科書、後者は事典であり、これから(家族)社会学的な研究に取り組もうとする人々に広く読まれることが想定されるものである。このような出版物において、(本研究課題もその一例であるような)エスノメソドロジー・会話分析にもとづく(家族社会学的な)研究が紹介されたことは、今後の研究の発展に向けて大きな意義があると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

刊行された2点の著作は、一方は教科書、他方は事典への寄稿であるが、そのような刊行物で、(本研究課題がそこに連なる)子育てひろばでのフィールドワークにもとづく会話分析的な研究(の成果)を紹介する機会を得たことの意義は大きいと考えている。また調査の面では、子育てひろばでのフィールドワークを再開できる環境がようやく整ったことも昨年度までとの大きな違いである。さらに、収録済みのビデオデータを整理する作業も、昨年度から引き続き進めている。以上から、今年度はそれなりの進展があったと評価している。

Strategy for Future Research Activity

今年度は子育てひろばでのフィールドワークを昨年度以上の頻度で実施するとともに、6月の国際エスノメソドロジー・会話分析学会(韓国・ソウル)にて、本研究課題の成果を発表することにしている。

Causes of Carryover

今年度はフィールドワークを実施することができたものの、それでも本研究課題を申請した時点での見積もりに比べると、その回数は少ないものに留まった。6月に韓国・ソウルで開催される国際エスノメソドロジー・会話分析学会にて、本研究課題の内容について発表する予定であるため、その準備作業(発表資料・原稿の英文校閲料など)を進める予算として使用すれば、残額をむしろ有効に活用できると考えている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Book (2 results)

  • [Book] 基礎からわかる社会学研究法――具体例で学ぶ研究の進めかた2023

    • Author(s)
      松木洋人・中西泰子・本多真隆
    • Total Pages
      252
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      4623095282
  • [Book] 家族社会学事典2023

    • Author(s)
      日本家族社会学会
    • Total Pages
      754
    • Publisher
      丸善出版
    • ISBN
      4621308343

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi