2022 Fiscal Year Research-status Report
Disfluency as deviance from and a resource for interaction order
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21K01898
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高木 智世 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00361296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
串田 秀也 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70214947)
林 誠 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70791979)
黒嶋 智美 玉川大学, ELFセンター, 准教授 (50714002)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 会話分析 / フィラー的形式 / 非流暢性 / 相互行為資源 / 日本語 / 吃音 |
Outline of Annual Research Achievements |
相互行為における非流暢性は、スムーズな相互行為の進行が参加者に強く志向されているという点において「逸脱」ではあるが、他方では、例えば、デリケートな事象を話題にしたりデリケートな行為を遂行したりするときに利用されうる相互行為の「資源」でもある。本研究では、非流暢性のこうした両義的性質を焦点として、非流暢性の「逸脱性」と「資源としての利用可能性」が実際のさまざまな相互行為場面においてどのように立ち現れているかを精査し、非流暢性が果たす役割を実証的に解明することを目指している。 2022年度は、前年度に大学院生の補助を得て精緻化された現有データの分析に基づいて、特に「まあ」「なんか」「こう」および吃音者の非流暢性を精緻に分析する作業を進めた。 2022年8月に代表者・分担者それぞれがすでに分析を進めているデータを持ち寄り、対面でのデータ検討会を3日間に渡って集中的に行った。対面で大学のセミナー室を利用しての実施であったため、これまでオンラインのデータ検討会では画面共有等を避けていたビデオデータもその場で視聴し、共同的に分析を精緻化することに集中することができ、大いに成果を得ることができた。また、本科研課題の研究成果を図書にまとめるための企画会議も実施し、この企画をある出版社に持ち掛けたところ、出版を引き受けてもらえることとなった。2023年度は、この図書の共同執筆にも着手する。 2023年3月には国内の学会において、「あのー」と「そのー」の分析について現時点で明らかになっていることをまとめ、ポスター発表を実施した。研究分担者も、それぞれ、現時点までの成果を踏まえた研究論文投稿や学会発表・講演を行っている。また、本科研の研究成果発表の場として、2023年6月に実施される国際会話分析学会において、代表者・分担者・協力者全員が参加するパネルを実施することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、代表者・分担者それぞれが所有する診療場面や吃音者の相互行為場面の録画データなどを対面のデータ検討会に持ち寄り、共同的に分析を深めることができた点が非常に有益であった。分析・記述を共同的に精緻化していく作業は、対面での実施がはるかに有効であることが実感された。国際会話分析学会(ICCA2023)での発表についても、Disfluency as methodical practices for interactionというテーマでパネル・プロポーザルが受理され、予定通り実施できることとなり、現在、各自、自分の発表の準備を進めているところである。本研究課題の成果をまとめ、公開する場となる図書の出版についても、出版社とのやりとりを開始し、本の構成も概ね確定して見通しがついたところである。全体として、おおむね予定通りに順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、まずは、6月末の国際学会でのパネル発表に向けて、各自分析と考察を深めていく。この学会発表を一つの大きな区切りとし、以後は、図書の執筆に注力していく予定である。この図書は、研究代表者・分担者全員が複数の章を担当し、できる限り幅広い読者層を想定して、フィラー的形式の使用をはじめとする非流暢性現象について本研究において会話分析的視点から明らかにされたことを紹介していくものとなる。執筆者の間でさらに議論を積み重ねながら、本の構成や分析の提示の仕方などにも工夫を凝らして、これまでにない全く新たな視点から相互行為における非流暢性に迫る書となることをめざしたい。
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Causes of Carryover |
2021年度において参加した国際学会がオンライン開催となり、繰越金が2022年度の予算に加算されたため比較的余裕があった上、2022年度もオンライン参加の学会等が多く、また、物品購入や謝金支払い等も当初の予定ほどには支出の必要性がなかった。2023年度は6月にオーストラリアで開催される学会に参加することが確定しているため、この学会参加のための旅費や研究打ち合わせのための旅費が大きな割合を占めると思われる。
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Research Products
(9 results)