2021 Fiscal Year Research-status Report
Learning "science and technology" in elementary and secondary education: praxiological explication of concepts
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21K01907
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Research Institution | Aomori University |
Principal Investigator |
中村 和生 青森大学, 社会学部, 准教授 (70584879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 素子 北海学園大学, 法学部, 教授 (70413292)
水川 喜文 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (20299738)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 冷めた科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、初等・中等教育における相互行為場面の実践を研究対象とし、「科学技術」という概念、すなわち科学に基礎づけられた技術という考え方がどのように学習されるのかを解明し、初等・中等教育における「科学」、「技術」、「科学技術」がいかなるものであるのか、その見通しを与えることを目的とし、その解明を、記述の下での行為理解の実践的達成、ならびに(相互)行為の組織化の詳細を捉えていくエスノメソドロジーの分析技法によって行うものとした。さらに、これを通じて、学術研究と実践の現場との関係をワークショップなどを通じて再考した上で、理科離れや学力低下が危惧される社会状況において、そうした現象の内実を、記述の下にある行為が織りなし合う微視的なレベルから詳細に把握していき、改善策の提案に貢献することを目指すものであった。 研究の具体的な実施計画は以下のようなものであった。まず、これまでに授業を録音・録画させて頂いた小学校や所属大学の系列中学校などに改めての調査依頼をする。並行して、文献収集に基づいた文献研究を行う。つづいて、実際に、初等・中等教育における科学教育・技術教育の現場に赴き、授業という相互行為をビデオで録画する。 実際に進めていくと、調査の内諾を得ていたはずの小、中学校に、明示的あるいは暗示的に、調査内諾を取り下げられる、あるいは調査の延期を求められた。これらは基本的には、コロナウィルスの感染予防をその理由としていた。したがって、本研究は計画を見直し、調査を受け入れていただけるフィールドの開拓可能性を探りつつ、もう一方でこれまで入手できている初等・中等教育における科学教育・技術教育のデータから導き出すことができる知見をまとめて発表していくこととした。このような経緯で、文部科学省の指導要領と教師の指導案と授業との関係を焦点にした発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初の具体的な実施計画は以下のようなものであった。まず、これまでに授業を録音・録画させて頂いた小学校や所属大学の系列中学校などに、改めての調査依頼をする。並行して、文献収集に基づいた文献研究を行い、初等・中等教育の教育現場を分析した邦文文献と科学教育・技術教育の現場を分析した欧文文献を、教育社会学・教育心理学・教科教育 (理科/技術)・STS(科学技術社会論)などの関連領域から網羅的に集め、検討する。そ して、とくに、実験室研究やワークプレイス研究が提出してきた詳細な記述や行為分析の知見とどのように関係するのか検討する。つづいて、実際に、初等・中等教育における科学教育・技術教育の現場に赴き、授業という相互行為をビデオで録画する。その上で、教師と生徒の発話、身体動作、さらには道具使用が織りなされ ていくことを通して、科学教育・技術教育の場面が成し遂げられていく手続きを解明する。 しかしながら、基本的にはコロナウィルスの感染予防をその理由として、調査の内諾を得ていたはずの小、中学校のいくつかに、明示的あるいは暗示的に、調査内諾を取り下げられる、あるいは調査の延期を求められた。 これを受け、本研究は研究計画を見直し、調査を受け入れていただけるフィールドの開拓可能性を探りつつ、もう一方で、当初の研究目的は最終的に維持しつつ、これまで入手できているデータから導き出すことができる試験をまとめて発表していくこととした。このような経緯で、文部科学省の指導要領と、教師の指導案、ならびに授業との関係を焦点にした発表を行った。 したがって、見直された研究計画の下では、初年度に実施予定であった文献研究を後回しにした点でやや遅れてはいるものの、現時点での正確な発表を前倒ししたため、差し引き勘定をすれば、研究はおおむね順調に進展しているとみなせる。
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Strategy for Future Research Activity |
見直された研究計画においても、小規模であれ、授業の録音・録画は不可欠である。これを確実に行うことが重要である。加えて、文献研究においては、各人の専門領域を活かした調査範囲の分担の下、合理的な遂行が求められる。
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Causes of Carryover |
研究の具体的な実施計画は以下のようなものであった。まず、これまでに授業を録音・録画させて頂いた小学校や所属大学の系列中学校などに、改めての調査依頼をする。並行して、文献収集に基づいた文献研究を行う。つづいて、実際に、初等・中等教育における科学教育・技術教育の現場に赴き、授業という相互行為をビデオで録画する。 実際に進めていくと、調査の内諾を得ていたはずの小、中学校に、明示的あるいは暗示的に、調査内諾を取り下げられる、あるいは調査の延期を求められた。これらは基本的には、コロナウィルスの感染予防をその理由としていた。したがって、本研究は計画を見直し、調査を受け入れていただけるフィールドの開拓可能性を探りつつ、もう一方でこれまで入手できている初等・中等教育における科学教育・技術教育のデータから導き出すことができる知見をまとめて発表していくこととした。 こうした事情ゆえに、初年度に当初行う予定であった文献研究が次年度以降に繰り越された関係で、図書購入費用を中心とした残額が生じたけれども、この分は次年度以降の文献研究を行う際に用いる予定である。したがって、現時点での残額には特に問題はない。
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