A Sociological Study of Cooks' Craftsmanship and Its Transformation in Reflexive Modernity

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K01922
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 田邊 浩 金沢大学, 人間科学系, 教授 (50293329)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 寺沢 なお子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (00227513) ; 眞鍋 知子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (70320025)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 食 / 料理 / 料理人 / クラフトマンシップ / フード・スタディーズ / 職人 / 労働

Outline of Annual Research Achievements

本研究は，調査票調査とインタビュー調査が研究の柱となり，初年度から一部の調査を実施する計画であったが，コロナ禍の影響により，実際の調査実施にまでは至らなかった．従って，主として本年度に行ったこととしては，調査を実施するための準備と，調査の理論枠組みの検討の二つとなる．
本研究では，全体として，料理人ないし飲食店を対象とした調査と，調理師養成機関を対象とした調査（質的調査と量的調査）を実施する計画である．そのうち，料理人インタビュー調査を実施するための準備段階として，数名の料理人に接触してお話を伺い，インタビュー調査を行うにあたっての必須事項や注意点などの情報を得ることができた．そうした情報をもとにして，どのような料理人を対象として選ぶかを検討するとともに，半構造化インタビューを行うための質問項目づくりを進めた．
調理師学校を対象とする調査に関しては，調査対象となる調理師養成機関の情報の入手，名簿の整理を行うとともに，質問項目づくりに着手した．
調査を実施することが困難であったこともあり，最も注力したのは，食の社会学および職人の社会学に関する先行研究の検討と，調査を行う際の理論枠組みの構築であった．既に収集していた文献に加え，新たに文献も集め，食の社会学理論の構築に向けて，検討作業を行なった．とりわけ，イギリスにおいて，食の社会学的研究を積極的に進めて数多くの業績をあげている，マンチェスター大学教授のAlan Wardeの食研究の著作の読解，検討を行なった．
研究グループにおいては，同じ研究機関に所属する利点を活かし，定期的に研究会を開催して，調査研究の準備を進めた．

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究の主な研究対象である料理人・飲食店は，新型コロナウイルスの感染の広がりによって，店の営業等に関して大きな制限を受けるなど，多大な影響を受けている．今年度もその状況に大きな改善は見られなかったため，そうした状況下で調査票調査および聞き取り調査を実施することがきわめて困難であり，結果として当初の計画からは遅れることとなった．

Strategy for Future Research Activity

調査の実施には至らなかったが，調査の質問項目づくりは進め，調査対象者の選定など，調査の準備はできるだけおこなったため，調査の環境が整えば，すぐに調査を実施できる体制にある．新型コロナウイルスの感染状況を見ながら，時機を失わずに調査を実施することによって，初年度の計画の遅れは取り戻すことができると考えている．
研究成果の公表は，全体的に予定がずれ込むことになるが，最終年度までには多くの成果をあげられるように，調査結果の分析以外の部分は，できうる限り進めることとする．

Causes of Carryover

予定していた調査がコロナ禍の影響で実施することができず，調査に要する経費と，出張旅費を執行することができなかったため，次年度使用額が生じた．
本研究の2年目にあたる次年度には，本来2年目に予定していた調査に加えて，それら1年目に実施できなかった調査も行うものであり，それら調査の経費と出張旅費として執行する見込みである．
なお，業者より，郵送調査を行う際の配送料に値上げがある旨の連絡があったため，郵送調査の経費を計算し直して，調査の計画を立て直すものとする．