2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Curriculum Management Measures in the Schools for Special Needs Education as Special-needs Emergency Shelters
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21K01942
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田村 圭子 新潟大学, 危機管理本部, 教授 (20397524)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 垂直避難訓練 / 危機管理対応体制 / 児童・生徒の脆弱性検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度については、研究フィールドなる特別支援学校の調査を行った。 まずは、1)フィールドとなる特別支援学校において、組織としての災害対応に係る取り組み状況調査を実施した。「災害対応の枠組み」における「災害・被災シナリオ」については、これまでは火災や不審者シナリオの検討が行われていたが、本年度は、プロジェクト側の働きかけにより、地震・津波災害をシナリオとした「ゆれから身を守る」「津波からの垂直避難を実施する」訓練を行う等、災害シナリオに対する対応の幅を広げた。「組織戦略・計画」については、危機管理体制の整備が進み、プロジェクト側と合同で戦略検討のための会議を年4回実施した。「対応計画」については、具体的な計画のとりまとめには至っておらず、一方で、本年度の協働野中で、これらが課題であるとの認識は進んだ。いずれは保護者等関係者への説明資料として、災害対応計画の必要性を認識するに至った。 2)想定災害が発生した際の児童・生徒の教育への影響を調査における「被害が与える学校教育への継続の影響」については、検討が進んでいなかった。本年度「福祉避難所としての機能実現のための資源の有無」の確認は実施した。「周辺組織、地域組織からの受援可能性」の検討は進んでいなかった。「児童・生徒の災害時脆弱性」については、来年度事例を設けて、検討の見込みとなった。「教職員の災害時における脆弱性の検討」については必要性の認識がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度本年度思った以上に進んだことは、地震・津波災害からの避難行動について検討し、垂直避難訓練を実施したことである。また併せて、避難したことを連絡する手段確保の必要性について、認識するに至った。 ところが、児童・生徒への災害認識の醸成やその後の教育活動への影響等への懸念については、具体的にイメージを持つことが難しいようであり、今後は事例紹介等が必要であると考えられる。 一方で、児童・生徒の避難方法や避難準備については、訓練を通して検討が進み、それらを避難計画としてとりまとめることへの意欲が高まった。また、福祉避難所の機能理解は進んでおり、今後は、災害対応のフローの中で、カリキュラムマネジメントの基盤となる方向性を見いだしていくことが、研究の推進に不可欠である。 また、新たな気づきとして、児童・生徒本人を含む、教職員の理解を進めるためのカリキュラムを平行して構築することの重要性を課題とすべきことが明らかとなり、今後の進め方に組み込んでいくことを検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度:児童・生徒の中から対象となる事例を抽出し、災害時の個別指導計画を策定する。具体的には、1)事例対象とする児童・生徒の平時の個別指導計画の調査を実施する、教職員に向けて必要性を働きかけ、災害時において・「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるか」の教育基本方針を組み立て、提案することで、検討を進めたい。また、教育を実施する側の「子供一人一人の発達をどのように支援するか」(子供の発達を踏まえた指導)「何が身に付いたか」(学習評価の充実)「実施するために何が必要か」(学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策)を調査する。 2)想定災害が発生した際の災害時個別指導計画を検討する。児童・生徒への災害時の影響を想定する、教育基本方針を踏襲しつつ、災害時において、どのように個別指導計画を組み立てることが可能か検討する、災害時の個別避難計画と教育効果を並行的に醸成することができるかどうかはチャレンジングであるが、現場と討議しながら、実現性の高い解を探る。また、災害時の学習評価方法、必要な人的物的資源を検討する
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