2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の在宅介護推進の障壁「介護者の阻害要因」への適切なアセスメント方法の開発
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21K01950
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
福田 敏秀 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (60839439)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 介護負担感 / 家族介護者 / 介護支援専門員 / 認知症高齢者 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、我が国では、急増する高齢者に対し多様な施策が打ち出されている。なかでも、彼らが在宅生活を継続し、自分らしく最期まで暮らし続けられるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築が推し進められている。一方、高齢者の在宅生活にはさまざまな阻害要因も報告され、その一つに家族介護負担感があげられる。在宅高齢者のケアマネジメントを担う介護支援専門員には、この家族介護負担感を的確に捉え、支援展開に生かすことが期待される。しかし、現在、その捉え方や展開過程は明らかにされておらず、個々の力量に委ねられている。そこで、本研究は、介護支援専門員が家族介護負担感を捉えるメカニズムと支援への展開過程を解明する。そして、そこから基準を見出し、標準的把握方法を開発する。特に、今後、増加が予測される認知症高齢者の家族介護負担感に着目してその把握方法を導き、より実践に役立つ成果を目指す。 2021年度は、基礎研究として、家族介護負担感、ケアマネジメントに関する文献収集等を行い、最新の見解を把握することに注力した。また、近年、家族介護者の問題として取り上げられるヤングケアラーについても検討した。このことについては、文献等による情報収集に加え、支援者の声をきく機会も得られ、家族介護者支援を目的とする本研究にとって、関連深い問題と捉える必要性を確認できた。このような検討を加えながら基礎研究を進め、また、本研究に関連する学会発表として、既存データを基に、第10回日本認知症予防学会学術集会において「介護支援専門員が捉える家族介護負担感の要素に関する検討」の発表も行った。 一方、2021年度、居宅介護支援事業所に所属する介護支援専門員に自記式の質問紙による調査を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、特に高齢者に対する支援現場では業務負担が増大したため調査の開始を延期した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度、質問紙を用いた調査を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、調査対象である居宅介護支援事業所における介護支援専門員の業務負担増大が続いたため、調査の開始を延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査については、調査対象者の業務状況を注視しながら、また業務負担に配慮し、質問紙構成、分量等についてより検討して、2022年度は調査を進める予定である。また、研究計画上、このあと介護支援専門員に対するインタビュー調査を予定している。調査対象者の業務状況を踏まえながら準備を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度、学術集会・研修会などについて、全てリモートで開催されたため、旅費が一切かからなかった。また、質問紙作成、発送といったアンケート調査に係る支出が全くなかった。次年度は、これらの支出が必要となる。
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