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2021 Fiscal Year Research-status Report

Exploratory research on the uniqueness and value of peer staff

Research Project

Project/Area Number 21K01954
Research InstitutionSeigakuin University

Principal Investigator

相川 章子  聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (60383303)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywordsピアスタッフ / ピアサポーター / ピアサポート / 価値 / 固有性 / 役割 / 倫理規定 / 業務指針
Outline of Annual Research Achievements

精神保健福祉領域において、「(パーソナル)リカバリー」は欧米諸国をはじめWHOも掲げるなど、国際的に共通目標とされている。リカバリーとは、精神疾患や障害があってもだれもが地域社会にて自らが望む暮らしができることであり、その過程をリカバリーというとされている。この考え方は未だ浸透されておらず、多くの人がリカバリーは不可能だと考え、彼らの望む暮らしは阻まれているのが現状である。リカバリーという考え方をリカバリー志向といい、これらを支援の現場にまず広めていくことが大切であるとされている。そこで欠かせない存在がピアスタッフである。ピアスタッフとは、自らの経験を活かし、ピアサポートの感覚を大切にして、同様の経験をしている仲間のリカバリーに寄与し、共にリカバリーを目指すものをいう。つまり、ピアスタッフは精神障害者のリカバリーに欠かせない存在と言える。
しかしながら、ピアスタッフがいればリカバリー志向への変革が起こり得るというものではなく、ピアスタッフの価値を活かして働く環境づくりが重要である。現状は雇用方法や働き方の多様さ故、孤立、葛藤、辞職等の課題が示されている。ピアスタッフが働く上で遵守すべき価値および倫理と、それらを踏まえた役割、業務について、日本において明文化されたものはない。
そこで、本研究は、日本におけるピアスタッフの価値および固有性について実証的、哲学的に明らかにし、それらを発揮できる環境づくりとなる倫理規定および業務指針を策定する。また、雇用ガイドラインを策定し、ピアスタッフの価値が発揮される雇用環境づくりに貢献する。
ピアスタッフおよび研究者の協働研究会を立ち上げ、ピアスタッフの価値および固有性について検討を深めた。一方、ピアスタッフが働く現場のフィールドワークを中心とした調査計画をたてていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって実施できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初予定していたフィールドワークが実施できず、調査計画が大幅に遅滞した。モデル的なピアスタッフの働きぶりをシャドウイングや実践現場の利用者とのかかわり、場の空気感等、会話、対話のダイナミクスを含めて調査対象としていたたため、オンラインによるヒアリングやインタビューの代替的な措置をとらなかったが、2022年度においては、状況を鑑みて、上記のような代替的措置を実施しつつ、フィールドワークが可能な状況を見定めて実施を試みたい。また、2022年度は、2021年度に立ち上げたピアスタッフおよび研究者協働の研究会によるワークショップを実施し、価値および固有性の言語化を、カードワーク等によって積み上げていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

研究目的であるピアスタッフの価値および固有性を明らかにし、ピアスタッフの倫理規定(案)および業務指針(案)の策定にあたり、以下2本だての調査を計画している。
【調査1】では、ピアスタッフの固有性を明らかにするための調査で、主に業務実態調査(調査1-1)およびフィールドワーク(調査1-2)を予定している。業務実態調査(調査1-1)については調査用紙を作成し、日本ピアスタッフ協会の協力のもとホームページおよびメルマガジンにて協力を呼びかけ、ウェブ調査を実施する。フィールドワーク(調査1-2)については、ピアスタッフのモデル的な働き方を行う3事例(北海道、長野、福岡)を取り上げる。2021年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響によりフィールドワークが実施できなかったため、2022年度に実施予定であるが、今後はオンラインによるヒアリングおよびインタビュー調査もあわせて検討する。これらの分析をもとに、「業務指針(案)Ver1」を策定する(2023年度末)
【調査2】では、ピアスタッフの価値を明らかにするための調査で、ピアスタッフの価値に関するアンケート調査(調査2-1)を実施し、回答された中から、インタビューおよびフィールド調査への同意を得られたピアスタッフへ質的調査を実施する。これらの分析をもとに、「倫理規定(案)Ver1」を策定する(2023年度末)
策定された「業務指針(案)Ver1」「倫理規定(案)Ver1」を各事業所において実装し、モニタリングを行い、2024年度末までにその修正案として「業務指針(案)Ver2」「倫理規定(案)Ver2」を策定する。また、これらをもとに「雇用ガイドラインVer1」を策定する。これらを、日本ピアスタッフ協会ホームページにて公表し、全国のピアスタッフおよび雇用主等が、ピアスタッフの価値および固有性を活かした働き方ができることを目指す。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ピアサポートの不思議な力2022

    • Author(s)
      相川章子
    • Journal Title

      精神保健福祉

      Volume: 53(2) Pages: 150-156

  • [Journal Article] さまざまなピアサポート インフォーマルなピアサポートからフォーマルなピアサポートまで2021

    • Author(s)
      相川章子
    • Journal Title

      こころの元気+

      Volume: 15(10) Pages: 6-8

  • [Presentation] 「ピアサポートにおける『支え合い』の経験-テキストマイニングによる探索的分析-」2021

    • Author(s)
      荒井浩道・相川章子・濱田由紀・種田綾乃
    • Organizer
      日本精神障害者リハビリテーション学会第28回愛知大会
  • [Presentation] 「精神障害者のピアサポートによる福祉的予防に関する探索的研究」2021

    • Author(s)
      相川章子・荒井浩道・濱田由紀・種田綾乃
    • Organizer
      日本精神障害者リハビリテーション学会第28回愛知大会
  • [Book] ピアサポート講座テキスト ピアサポートを文化に!2021

    • Author(s)
      相川章子・ピア文化を広める研究会
    • Total Pages
      125
    • Publisher
      認定NPO法人地域精神保健福祉機構(COMHBO)

URL: 

Published: 2022-12-28  

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