2022 Fiscal Year Research-status Report
Covid-19感染拡大による福祉意識の変容:時系列分析と国際比較
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21K01958
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
武川 正吾 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40197281)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 新型コロナ / 福祉意識 / 福祉レジーム |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の福祉レジーム研究では、社会政策がどの程度「脱商品化」(労働力を商品化しなくても生活を維持できる程度や「脱階層化」(社会政策によってどの程度格差が縮小されているか)といった客観変数の分析に焦点が当てられてきた。本研究では2018年度に採択された研究に続き、社会政策に対する社会的態度(本研究では「福祉意識」と呼ぶ)や「信頼」などの主観変数を扱う。パンデミックの前後で、日本人の福祉意識がどのように変化したかを明らかにすることが本研究の目的である。そのさい可能な限り、国際比較の視点を導入することとする。 2022年度も2021年度と同様、パンデミックが収束したとまではいえなかった。このため新型コロナ禍におけるデータおよびそれ以前のデータを検討した。福祉意識のうち「高福祉高負担」「普遍主義」「必要原則」「公共部門中心」について、昨年度の分析で、日本では、コロナ禍が福祉国家に親和的な価値意識(「大きな政府」志向と脱商品化的な社会政策の支持)を高めた可能性があるとの結論を得た。ただし「高福祉高負担」「普遍主義」の支持率については上昇したものの、コロナ禍直前の台湾に比べると低い水準であり、韓国と同程度の水準となっている。 他方、平等主義(所得格差を政府の責任と考える者の割合)の支持率は2000年から2015年にかけて上昇してきたが、2021年にやや減少したことも明らかとなった。この動向は前述の動向と矛盾しているように見える。この点をどのように解釈するかは今後の課題である。 2023年5月に日本でも新型コロナ感染症の分類が2類から5類に変更された。またWHOが新型コロナの緊急事態の終了を宣言した。2023年度にようやくコロナ後の日本人の福祉意識について調査し分析することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画ではコロナ禍前後の日本人の福祉意識の変化を調査する予定でいたが、当初の予想に反してコロナ禍の終息が遅れたため、調査も延期せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月8日、新型コロナ感染症の分類が2類から5類に変更された。また同年5月5日にWHOも新型コロナの緊急事態の修了を宣言した。これによってコロナ後の日本人の福祉意識について調査し分析することが可能となった。ポストコロナと判断できるるまでにはどれくらいの時間を置くべきかについては検討課題であるが、2023年度中には調査の実施が可能となると思われる。
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Causes of Carryover |
当初計画ではコロナ禍前後の日本人の福祉意識の変化を調査する予定でいたが、当初の予想に反してコロナ禍の終息が遅れたため、調査も延期せざるを得なくなった。
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Research Products
(5 results)