2021 Fiscal Year Research-status Report
Principle of coordination between human rights protection and human rights restrictions in public health
Project/Area Number |
21K01970
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鈴木 静 愛媛大学, 法文学部, 教授 (80335885)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 高齢者の人権保障 / コロナ禍 / 人権保障アプローチ / 人権相互の調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )が、世界中で猛威を振るっている。パンデミックは長期に及び、生命、健康、生活、労働、教育そして経済活動等への影響は益々深刻になっている。特に、医療・福祉は依然として崩壊の危機にあり、患者の生命権、生活権等の基本的人権や医療・福祉労働者の労働権、健康権が危機に瀕している。 本研究の課題は、新型コロナウイルス感染症を対象として、感染症政策における人権制約の判断基準と公衆衛生の調整原理を明らかにし、政策上の指針を示すことである。そして政策上の指針は、現代的には、国際連合が採用している「人権保障アプローチ」によるべきである。本研究では、「人権保障アプローチ」の理論的検討と国内政策への指針の提案を目指す。とりわけ、コロナ禍において影響の大きい高齢者については、その政策的対応へ寄与する具体的方策を提示することにある。 2021年度は、国連が公表している「高齢者の政策概要」を手掛かりに、日本のコロナ禍の医療政策及び関連政策の問題を整理し、国内外の学会報告を行い論文として公表した。とりわけ日中韓居住問題国際会議では、世帯員数の減少に伴う居住問題として、日本のコロナ禍で生じている医療、居住に関する問題を取り上げ、中国及び韓国の複数の参加者から関心が注がれた。また、論文ではハンセン病問題から患者とその他の人々との人権相互の葛藤の問題を整理し、新型コロナウイルス感染症政策の課題を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
入手しうる国内外の文献に基づき、高齢者及びコロナ禍の現状把握や関連政策の概要を把握し、予定通り学会報告及び論文公表を行うことができた。予定していた国内外の調査活動は、コロナ禍のために延期せざるをえなかった。国内については、可能な限りでオンラインでの聞き取りを開催し、実態把握に努めた。 当初は研究協力者1名とともに研究を進める予定でいたが、当該研究テーマの問題関心を共有する研究者2名をしり、これまで研究会等を通じて議論を積み重ねている。2022年度以降は、当初予定していた調査領域を拡大し取り組むこととしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初は研究協力者1名とともに研究を進める予定でいたが、当該研究テーマの問題関心を共有する研究者2名をしり、これまで研究会等を通じて議論を積み重ねている。2022年度以降は、当初予定していた調査領域を拡大し取り組むこととしている。 2021年度は、コロナ禍のため、国内外の調査活動を行うことができなかった。オンラインで最大限対応したが、高齢者や高齢者団体、医療機関等を対象とするため、今後対面での調査活動を積極的に計画し、実施していきたい。
|
Causes of Carryover |
2021年度は海外および国内出張がすべて延期せざるをえなかった。コロナ禍であり、また高齢者や高齢者団体、医療機関への聞き取り等を予定しているため慎重に判断せざるをえなかった。2022年度には実施するべく海外および国内の相手方と連絡を取り、計画を立てている。
|
Research Products
(12 results)