2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Model Indicator of job evaluation Based on Employment Style and Wage System for Workers with Disabilities
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21K01974
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
富田 文子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (80847939)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 企業就労 / 障害者 / 雇用形態 / 賃金体系 / 職務評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業就労する障害者の労働は、どのように評価されているのか、どのように賃金や雇用が決定されるのかについて明らかにし、障害者の雇用形態や賃金体系を基盤した職務評価のモデル指標の作成を目的としている。具体的には、①障害者及び支援者への質的調査及び企業への量的調査を組み合わせて職務評価を構造的に把握した上で、企業固有の職務評価を検証しモデル指標として視覚化する。そして、②障害者雇用の質的側面な改善が重要であり、障害者もライフステージに応じた生活の実現を目指すことを社会的課題であると発信することである。それによって、企業就労を目指す障害者とその支援者にとって、明確化された職務評価に対応できる技術・知識等の獲得と自らの生活設計の意欲が醸造され、より障害者雇用の拡大に効果をもたらすことができると考える。 2021年は、障害者及び支援者の雇用形態及び賃金体系のニーズの関する現状把握(インタビュー調査)を行うことを予定していたが、新型コロナウイルス流行の影響があり、調査を自重した。 そこで、障害者の中でも、15年以上月額平均賃金が約12万円という低賃金を維持している知的障害者の賃金構造に焦点を当てて、文献調査・先行研究の分析を行った。その結果は、今夏に学会報告する予定である。概要としては、①就労する障害者は給与・賃金を雇用継続の重要な要素に挙げているものの企業はその必要性を感じていないことがわかった。また、②知的障害者の賃金が低い理由には、低賃金になりやすい職務(清掃や倉庫等)への採用が多くことや就労それ自体が目的になりやすい傾向が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は新型コロナウイルス流行の影響を受けて、インタビュー調査を自重した。 また、雇用動向が急激に変動していた中で雇用形態や賃金等に関する調査は、特異な状況であると考える。それについては、「障害者の一般就労における雇用形態及び賃金体系の構造把握のためのケーススタディ」(課題番号19K23271)の一部として実施済みであり、本研究でもその結果を発展させて分析する。 今後は、新型コロナウイルスの状況等を踏まえてながら、研究方法に修正を加えて、また研究期間の延長も視野に入れながら、実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に行った①文献調査の結果を今夏の学会にて発表する予定である。②労働局へ障害者雇用企業の開示請求をS県において実施済みである。2022年度は、予定を変更して、企業における障害者の雇用形態や賃金体系に関する実態調査(アンケート調査)を行いたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行の影響を受けて、インタビュー調査を自重したことに起因する。特に交通費を全く執行することができなかったことが理由である。2022年度は、インタビュー調査(一部実施)及び学会報告への旅費と、アンケート調査をインターネット調査として実施する費用として執行したい。
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