2022 Fiscal Year Research-status Report
人口減少地域における強度行動障害のある人々の身体拘束に関する研究
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21K01978
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
勝井 陽子 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (10567217)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 強度行動障害 / 身体拘束 / 知的障害 / 自閉症スペクトラム障害 / 障害者虐待 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、コロナ禍の影響を受けつつ、強度行動障害についての社会的支援に関わる障害福祉政策の動向や各種セクターの活動について調査研究を実施した。また、地方自治体に対して知的障害や自閉症スペクトラム障害等において強度行動障害の状態にある人々の社会的状況についての概況と全体の概況についての把握、また地域特性についての傾向を把握するための調査、分析を実施した。また、人口減少地域の障害者支援施設における身体拘束等について、アンケート調査を開始した。 強度行動障害の状態にある人々の支援施策にかかわる動向調査において、障害者総合支援法における障害支援区分認定、行動関連項目10点以上の人々と、また行動関連項目10点以下の人々の地域における人口状況について、行動関連項目10点以上の人々の圏域内における現在の障害福祉サービス等の利用状況について、また、地理学的移動状況の把握の為、所在について等の調査の分析を実施した。 その中で、地方自治体は,障害者総合支援法上も広域に高度な専門的支援を供給することが求められており、広域での課題解決の計画を求められている状況において、ミクロレベルだけでなくメゾレベル、マクロレベルにおいても解決が強く要請される政策課題であることが示唆され、その域内において、これまでの推計値よりより多くの困難な状況に置かれている人々の存在が示唆された。これまで強度行動障害の実態について広域で明らかにされていなかった一部を示すことができ、また、その調査結果の差異により多面的構造的偏在の一部について明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、コロナ禍により研究全般に進捗がやや遅れている。特に、障害者支援施設へのコロナ禍の影響は大きく、感染拡大防止のための対応は継続しているため、訪問調査は困難となった。そのため研究進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
障害者支援施設に関する身体拘束についてのアンケート調査の集計および結果分析をすすめる。また、障害者支援施設への身体拘束の実際について、インタビュー調査をすすめる。身体拘束についての事例の蒐集および文献の蒐集等をおこない、身体拘束に関する社会的対応の状況に関する分析の準備を進める。 感染症の状況を注視しながら進めるものであるが、強度行動障害に関する調査から得られた結果をもとに、研究成果を論文にまとめ公表をすすめたい。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染防止のため、当初予算を確保していたインタビュー調査、出張が一部遂行できず次年度使用額が生じた。また、インタビュー調査、出張実施に伴う謝金が発生しなかったため次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度の旅費等として、感染状況に鑑み使用する予定である。また、調査、研究活動に伴い謝金等を使用していきたい。
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