2021 Fiscal Year Research-status Report
日本における生活困窮者のホームレス化予防のあり方に関する研究
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21K01981
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岡本 菜穂子 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (30553565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
グライナー 智恵子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20305270)
松崎 良美 東洋大学, 社会学部, 助教 (00822157)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 若年 / ホームレス / 要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究チームでの会議5回、文献及び情報収集を行い、今年度の予定の調査枠組みの下準備を進めた。若年層ホームレスの定義を議論し、当初計画書で定義していた友人や知人宅、インターネットカフェや、漫画喫茶で避難している人も含めることになった。日本の文献を参考に若年ホームレスの定義を整理したところ、40歳未満、路上及び安い宿泊施設に泊まり続けている人、最低4日以上路上にいた経験のある人、屋根はあっても家がない状態、及び、屋根がない状態、ユースレフュージにいる人々、友人宅を泊り歩く人々、路上生活者以外の不安定居住層、簡易な小屋やテント、野宿している人であった。若年層ホームレス(ネットカフェ難民などを含めて)へのアクセスの可能性についてアルバイト求人サイト(女性も含めて)の情報を収集、ホームレス当事者へのヒアリングを行い、若年層がアクセスしやすい求人サイトについて情報を整理した。若年層ホームレスが具体的に寝る場所や、休息する場としてどのようなところにアクセスすると対象者にリーチできるか、20人ぐらいにアイデアを聞いてみる案を構想した。生活保護に至るまで/至らなさについては、若年野宿者の傾向として、雇用の不安定さは中高年野宿者と同様の傾向として見られるが、それ以外に「個人的理由」「家族といづらくなり」野宿化に至っている可能性が見出された。1)人間関係の希薄さ、家族との関係性、貧困、2)「前科」、ギャンブル 失業+X=住居の喪失の「X」に相当する要素として、人間関係、安心が検討された。 対象へのアクセスと具体的な調査項目について、先行研究から調査概念図(調査項目枠組み)案を作成し、チーム内で検討を行った。先行研究(欧米諸国)の若年層ホームレスの発生リスクと要因に関するコンセプトを参考に、概念図案を検討した。 コンセプト分析の結果を参考に概念図案を作成したが、先行研究の文献レビューを元に、概念図案の修正を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の予定は、文献検討による失業者や失職の危機にある者の行動情報把握を計画していた。 Google Scholar, Cinii, EBSCOhost,ホームレス支援団体報告書等を使用して文献検索を行った. 選定した文献は、国外のものが多く、起因する要素をマトリックシートで整理した。 東京・名古屋・大阪における予備調査の実施については、当事者へのヒアリングを行うにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の影響下、県を跨いだ出張は極力控えることを行った。そのため、予備調査の実施は実現ができなかった。今後、新型コロナウイルスの状況を鑑みながら、実施の準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
予備調査を実施することができなかったため、旅費等の費用の使用ができなかった。次年度に予備調査を行うことで、使用をする計画である。
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