2021 Fiscal Year Research-status Report
特別養護老人ホームのリーダー職員を対象とした理念浸透促進の為の研修プログラム開発
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21K01987
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
種橋 征子 関西大学, 人間健康学部, 准教授 (00760729)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経営理念 / 理念浸透 / 特別養護老人ホーム / リーダー / 介護職員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、特別養護老人ホームにおいて経営理念を浸透させ、理念を実践することによって、介護職員にとってのやりがいのある職場をつくり、離職を予防できるよう、施設において理念の伝播者の役割を担うリーダークラス職員の理念の説明力、リーダーシップの向上を目指した研修システムを構築することを目的とした研究である。 研究期間の1年目である令和3年度は、ここ数年離職者が続いたある社会福祉法人の特別養護老人ホームにおける課題を理念浸透と理念の実践に着目して明らかにするために、施設長、リーダークラス職員、一般介護職員、計13名の職員を対象にインタビュー調査を実施した(13名の職員の内、4名はデイサービスの職員である)。調査期間は令和3年5月から7月であった。現在は、各調査対象者毎に逐語録にしたインタビューデータを精読し、コード化、カテゴリー生成作業を行っているところである。 また、11月には、特別養護老人ホームの理念浸透の実態と、理念浸透、理念の実現の程度と職員の仕事上の負荷及び離職意向との関係を明らかにするために、関西の3府県における開設5年以上の特別養護老人ホーム618施設の職員4.944名(各施設、施設長1名、リーダークラス職員3名、一般介護職員4名)を対象に質問紙調査を実施した。調査回答者は114施設793名であった。分析対象者は、属性以外の質問項目(理念浸透に関する項目、仕事上の負荷、離職意向に関する項目)に欠損値のない669名とし、現在分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析作業に時間がかかっているが、1年目に計画した2つの調査(離職者の続いた社会福祉法人の特別養護老人ホーム職員を対象としたインタビュー調査と関西3府県の特別養護老人ホーム職員を対象とした理念浸透に関する質問紙調査)を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在1年目に実施した、インタビュー調査、質問紙調査ともに分析途中である。 令和4年度は、インタビュー調査結果をもとに、調査対象施設においてリーダークラス職員を対象とした理念浸透と理念の実現に向けた研修を検討し、実施する予定である。 質問紙調査の結果については、同時期に実施した小規模多機能居宅介護事業所における理念浸透の実態調査(本調査と同じ質問紙調査)の結果とともに、学会報告、論文執筆の予定である。
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Causes of Carryover |
質問紙調査実施にあたり、業者委託額が当初の予定より高かったため、前倒し請求を行ったが、見積もっていた回収率30%よりも、回収率が低くなったため、次年度使用額が生じた。 令和4年度は、特別養護老人ホームのリーダークラス職員を対象とした理念浸透促進に向けた研修と質問紙調査の結果を学会で報告することにしているため、研修内容の記録、逐語録作成費用、交通費に助成金を使用する。
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