2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the training model for social workers to practice phenomenological research
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21K01989
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
植田 嘉好子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (40612974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 彰吾 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター, 教授 (40408018)
村井 尚子 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (90411454)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソーシャルワーク / 現象学 / 質的研究 / 経験の意味 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現場のソーシャルワーカーが現象学を活用するための研修モデルを構築することである。現象学は、人間の現実経験から事象の意味を明らかにする哲学であり、心理学や教育学、看護等において質的研究法として応用されてきた。ソーシャルワークの領域では未だ現象学的研究が少ないが、ソーシャルワークに求められる対象者へのホリスティックな理解や、社会変革に向けた既存のパラダイムの転換には現象学が有効である。そこで、本研究では、ソーシャルワークの専門性に即した現象学的方法をいかに実践経験の次元から構築するかを核心的な「問い」とする。とくに、他分野(心理学・教育学)との学際的な研究体制により、ソーシャルワークに独自な現象学的方法を明らかにし、その研修モデルをアクション・リサーチの方法で構築することを目指す。 2021年度は研究全体の理論的枠組みを検討するため、ソーシャルワークにおける現象学の射程について、海外文献を中心に収集・分析した。北米ではソーシャルワーク博士学位論文の主要な質的研究方法として、現象学はグラウンデッドセオリーに次ぐ2番目の方法論となっている。研究主題としては、ソーシャルワーク実践やクライエントの苦悩の経験の意味解明のほか、多職種連携やソーシャルワーク理論、専門職アイデンティティに関するものも見出された(現在論文投稿中)。 またコロナ禍によりソーシャルワーク実践にも新たな様相が見られるため、日本の実践報告と海外での情報収集を目的に、国際学会への参加とポスター発表をオンラインで行った。 さらに、次年度のソーシャルワーカーへのインタビュー調査「ソーシャルワーカーの実践経験の現象学的解明」に向け、倫理審査委員会の審査を受け、調査実施の承認を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は研究全体の理論的枠組みを検討するため、ソーシャルワークにおける現象学の射程について、海外文献を中心に収集・分析した。北米ではソーシャルワーク博士学位論文の主要な質的研究方法として、現象学はグラウンデッドセオリーに次ぐ2番目の方法論となっている。研究主題としては、ソーシャルワーク実践やクライエントの苦悩の経験の意味解明のほか、多職種連携やソーシャルワーク理論、専門職アイデンティティに関するものも見出された(現在論文投稿中)。 また、コロナ禍によりソーシャルワーク実践にも新たな様相が見られるため、日本の実践報告と海外での情報収集を目的に、国際学会への参加とポスター発表をオンラインで行った(第26回アジア太平洋地域ソーシャルワーク会議)。外出制限や社会活動の自粛により、人々の社会的孤立や分断がウェルビーイングを脅かしており、オンライン/オフラインで人々のつながりを再構築するソーシャルワーカーの新たな実践が生み出されていることが把握された。 さらに、次年度のソーシャルワーカーへのインタビュー調査「ソーシャルワーカーの実践経験の現象学的解明」に向け、倫理審査委員会の審査を受け、調査実施の承認を得た。現在、調査協力者の選定と依頼の手続き中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はソーシャルワーカーへのインタビュー調査「ソーシャルワーカーの実践経験の現象学的解明」を実施し、具体的な分析を進める予定である。特に従来のソーシャルワーク実践に加え、コロナ禍において露呈した人々の生活困難やその解決に向けた取組みについて詳細に聴き取り、自らの専門性や使命に関する認識について明らかにする。 また2022年6月にニューヨークで開催される39th International Human Science Research Conference(第39回国際人間科学会議)で口頭発表を行い、ソーシャルワークの実践や研究における現象学の役割について報告・議論し、海外動向についても情報収集する。 ソーシャルワークに独自な現象学的研究法の研修モデル構築に向け、インタビュー調査から現場実践の特徴を解明し、ソーシャルワーカーが現象学を理解し使えるための研修プログラムを検討していく。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査に関する旅費や謝金を計上していたが、コロナ禍により調査が延期となったため、次年度に繰り越すことになった。
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Research Products
(1 results)