2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症グループホームにおける入居者本人の看取りの意思決定支援モデルの開発
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21K01990
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Research Institution | Tohoku Bunkyo Junior College |
Principal Investigator |
橋本 美香 東北文教大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10537856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 一穂 東北文教大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30537858)
南條 正人 東北文教大学, その他部局等, 准教授 (70461720)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / 看取り / 意思決定 / 認知症グループホーム |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症グループホームにおける看取りの取組みと入居者本人の意思決定支援の実態を明らかにすることを研究目的とした.日本認知症グループホーム協会に所属する施設から無作為に抽出した1,226施設に自記式質問紙を郵送し,調査協力に同意を得た388件(回収率31.6%)の認知症グループホームを調査対象とした.本研究は,東北文教大学・東北文教大学短期大学部研究倫理審査委員会の承認を受けて実施した(承認番号2020-3). 結果は,調査対象施設の60.6%が看取りに取組んでいた.医療法人か否かあるいは看護職勤務の有無による看取りの取組みの有無に有意差はなかった.本人への看取りの意思確認をしている施設は43.4%であり,確認方法は,「入居時に書面確認」54.9%,「入居後に口頭確認」30.4%であった.看取りの意思確認内容は「最期を過ごす場所」89.2%,「希望する延命治療」72.5%,「取り入れてほしいケア」54.9%であった.本人への意思決定支援の実施内容は,「本人の言動・行動をスタッフ間で情報共有」75.0%,「本人の言動・行動を記録」67.2%,「本人の生活史を看取りケア計画につなげる」53.9%であった.家族への看取りの意思確認をしている施設は98.7%であった.看取りに取組んでいない施設の看取り上の困難として最も多かった回答は「看護職確保困難」55.0%であった.看取りに取組んでいない施設における看護職勤務の有無別による看取り上の困難では,看護職勤務有の施設の方が看護職勤務無の施設より「看取りの技術不足」「医師の協力不足」について困難と考えていた. これらのことから,看取りには医療職の存在が不可欠という視点からの転換,入居者本人の意向を中心とした意思決定支援の実現,認知症高齢者の希望を叶えるための具体的な取り組み事例のデータ集積とガイドラインの開発が急務であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度では、認知症グループホームを対象とした質問紙調査実施し、結果をまとめた。その後、看取りの実践者のインタビュー調査を実施し、現在データ分析を進めている。そのため、調査自体は順調に実施したと考えるが、インタビュー調査結果から、認知症グループホームの看取りの意思決定支援モデル作成を急いでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、認知症グループホームの看取りの意思決定支援モデル作成し、次の段階である認知症グループホームの職員および入居者・家族に介入し、意思決定支援モデル案を適用する予定である。
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Causes of Carryover |
第一次の質問紙調査における郵送・データ入力について、当初はアルバイト要員で対応する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点からアルバイトを雇用し、質問紙の郵送・データ入力の方法の指導等を対面で実施することが困難となったため、調査・統計処理の専門会社への依頼をすることとなり、その費用が499,180円と高額となってしまった。また、第二次調査のインタビューを対面で実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点からリモートでのインタビュー調査を実施するととなり、ウェブカメラやマイクの購入が必要となった。
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