2022 Fiscal Year Research-status Report
青年期のひきこもり者に対する遠隔健康医療相談の効果検証に関する研究
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21K01994
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 純一 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (00533861)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ひきこもり / 家族 / 遠隔健康医療相談 / CRAFT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は社会的ひきこもり児・者の家族相談について従来型支援と遠隔医療相談を比較し当事者が受ける支援の展開の差異を検証することである。横浜市立大学にて倫理審査を行った後、「遠隔医療相談による青年期ひきこもり者家族の心理的ストレスの改善を評価する探索的介入研究」を介入群、対照群あわせて40例を対象にランダム化比較試験を行っている。本研究は認知行動療法の技法を応用した、Community Reinforcement and Family Training(コミュニティ強化と家族訓練:以下CRAFT)に基づいた相談支援を、ひきこもりの状態にある若者の家族に対しても用いて対面支援群と遠隔健康医療相談群の2群に参加希望者を割り付けて8項目の主要構成要素について合計5~6回、一回あたり60分程度の家族支援を一定のトレーニングを経た医師が実施するものである。横浜市内にあるひきこもり支援機関から対象者をリクルートしている。現在までに合計10例の登録が完了し、1名が脱落、5名が完了、4名が実施中の段階である。主要評価項目は心理的ストレス尺度によって測定される家族のひきこもり者への心理的負担の変化量としている。その他、当事者の受診率、社会機能、家族の抑うつ、ひきこもり者に対する態度を副次評価項目として設定している。介入群、対照群ともにプログラム体験者の評価は良好であり、1名は当事者の受療行動につながっている。ひきこもりの相談支援の社会的リソースが乏しいこともあり、横浜市内のニーズは非常に高い。このため、研究分担者を増員の上研究参加希望者の対応件数を増やしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ひきこもり当事者家族の遠隔健康医療相談を実施するにあたり、個人情報の扱いがデリケートとなるためオンラインプラットフォームのベンダー決定や倫理審査のプロセスに時間がかかったが、研究参加希望者は多いためリクルートは順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には介入を終了し、結果を解析、論文化する予定。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、予定していた研究会開催や国際学会参加が困難となったため。2023年度は研究自体も本格的に進んでおり、備品購入、遠隔診療プラットフォーム使用料、国際学会参加費で全額使用する予定。
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