2022 Fiscal Year Research-status Report
里親家庭を巣立つ若者の自立支援と共感性の獲得に関する実証的研究
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21K01997
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
中山 哲志 東日本国際大学, 健康福祉学部, 学長 (80327262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深谷 和子 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (00015447)
深谷 昌志 東京成徳大学, その他部局等, 名誉教授 (00031542)
石田 祥代 千葉大学, 教育学部, 教授 (30337852)
金城 悟 東京家政大学, 家政学部, 教授 (70225118)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 里子の自立支援 / 共感性の獲得 / 面接調査 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「養育家庭から巣立つ若者の自立支援と共感性の獲得に関する実証的研究」は、里子の自立支援において課題となる「共感性の獲得」に焦点をあてた事例研究である。18歳以降に向けた里子の自立支援は社会的養護において重要な課題であり、その背景に、里親の多くが里子の中に育まれにくい共感性の獲得に関する課題があると捉えている。 今年度も1年目に続き、コロナ感染症の影響から直接里親に対する面接を実施することは難しく、代替手段としてオンラインによる面接調査を実施した。しかし、里親がオンラインに慣れないこともあり協力者を見つけるのが難しく実施数は少なかった。しかし、数は少ないが里親が語る言葉には、児童期から青年期かけての仲間関係、学校外での活動の様子集団帰属の問題、あるいは里親自身の自立に関する意識、自立につながる「きっかけとなる」エピソードなど、共感性の獲得に関係した内容が語られていた。自立支援の成果に深くかかわる里親子関係、里親が里子に対してどのような自立観や意識を持って関わっているかを明らかにすることは、里親による養育の質を高め、自立支援の改善につながる。 研究目的を達成するためにも、事例研究数を増やすことを再計画し、コロナ感染症状況の今後を見据えて、令和5年度には面接調査と同時にアンケート調査により事例資料を集めるための準備を進めた。 また、全国里親会(山梨大会)にオンラインで参加し、当事者である里子の発表からテーマに関係して里子がどのような意識で自立を考えているかについて情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響が大きく、対面による面接調査ならびにオンラインによる面接の実施が難しかった。代替手段であるオンラインでの実施も計画通りに進まなかった。今年度後半は、面接で確かめたい内容をアンケート調査で実施する方向で準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の影響が少なくなっていくことから、対面による面接調査数を増やす計画である。 また、関東甲信越地域を調査対象にして、事例研究を目的とした、里子の自立支援に関する里親の意識調査(質問紙調査)を実施する。
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Causes of Carryover |
1.予定した面接調査がコロナ感染症の影響から実施できなかったことにより予算執行が延期された。 2.令和5年度に関東甲信越の里親に対するアンケート調査を実施することによる支出を予定している。 3.1年間の研究期間延長を申請し、令和5年度、令和6年度での面接調査を実施することの経費に充てる予定である。
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