2021 Fiscal Year Research-status Report
地域福祉計画は福祉分野の上位計画として機能するかー政令指定都市の検証からー
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21K02005
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
丸田 秋男 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (60339968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 敏文 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80440478)
青木 茂 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (80613645)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会福祉法 / 地域福祉計画 / 上位計画 / 指定都市 / 検証・評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、2018(平成30)年4月の法改正後に地域福祉計画を策定した指定都市(12市)を対象にして、事務決済規程における決済区分、他の計画を所管する担当課との合議の状況、財政当局との協議の有無等、各指定都市における意思決定過程に関する調査を行った。その結果、名古屋市を除く11市から回答が得られ、基礎的な分析を進めている。また、名古屋市を含む12市の策定委員会の議事録及びパブリックコメントの実施状況を収集した。 12市の議事録は会話形式によるもの、要約形式によるものなどの違いがあり、当初予定していたKH Coderによる分析ではなく、分析枠組みを設定した分析方法に修正した上で、分析を進めている。 併せて、地域福祉計画を法律上「上位計画」として位置づけた政策形成プロセスを再整理し、名古屋市を含む12市における「上位計画」としての位置づけの状況等について基礎的な分析を行った。外形的には、地域福祉計画を福祉分野の「上位計画」と明確に位置づけて他の計画との整合・調和を図る内容となっている指定都市と、福祉分野の基盤的計画として位置づけて他の計画との連携・整合を図る内容となっている指定都市に分かれた。この点については、追加調査やヒアリング等で確認する必要性が生じている。 なお、当初、調査対象としていた千葉市については、新型コロナウイルス感染症による影響等により、策定スケジュールが1年延期されたことにより、調査対象から除くこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
12市の議事録の公開は、会話形式が7市、要約形式が3市、公開なしが2市という状況であり、当初、予定していた分析方法を見直す必要が生じた。見直し後は、新たな分析枠組みを設定し、それに沿った分析作業を始めている。加えて、新型コロナウイルス感染症が長引くなか、代表研究者及び分担研究者の研究環境にもマイナスの影響があり、全体的に研究が遅れがちになっているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる2022年度は、1年目に積み残している策定委員会の議事録分析を進める一方、研究計画に沿って、各指定都市が地域福祉計画を福祉分野の上位計画として、どのような地域づくりを目指すのか、他分野の計画との整合・調和を具体的に占めているかなどについて分析を進める。また、計画策定後の調査、分析及び評価等の視点と方法の提起につながると思われる指定都市へのヒアリング調査を行い、実証的なエビデンスを集積する予定である。 なお、ヒアリング調査については、新型コロナウイルス感染症の影響等によっては、代替手段等を検討することとする。
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Causes of Carryover |
議事録の分析方法の見直し・変更により経費が抑えられたためである。今後は、紙ベースでの分析と文献等の資料収集が見込まれることから、消耗品費と図書費に充てる。
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