2022 Fiscal Year Research-status Report
看取りに関わる多職種チームと医療との連携モデルの開発
| Project/Area Number |
21K02006
|
|---|
| Research Institution | Kinjo University |
|---|
Principal Investigator |
田中 克恵 金城大学, 看護学部, 教授 (20387393)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舞谷 邦代 金城大学, 看護学部, 教授 (60389971)
鈴木 典子 金城大学, 看護学部, 助手 (10842007)
谷口 佳奈恵 金城大学, 看護学部, 助手 (60849892)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
| Keywords | 特別養護老人ホーム / 看取り / 多職種チーム / 外部医療 / 連携 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究の目的は、特別養護老人ホーム（以下、特養）における看取りの推進に寄与するために、医療との連携モデルを開発することである。実践で活用できるレベルのモデルを開発するために、4つの調査を計画している。令和4年度は、以下の3点を明らかにすることを目的に研究に取り組んだ。①多職種チームが看取りにおいて配置医師及び協力医療機関に期待することは何かを明らかにする。②多職種チームから見た外部医療との連携を促進する要因及び阻害する要因を明らかにする。③多職種チームから見た外部医療との連携の体制とプロセスを明らかにする。なお、本研究において多職種チームとは入所者の終末期ケアに関わる施設内の多職種・職員を構成員としたチーム。外部医療とは、施設の常勤以外の医師（非常勤の配置医師を含む）、医療機関（訪問看護ステーションを含む）を指す。
【方法】対象者は、北陸三県（石川、富山、福井）の県庁および政令都市のホームページに掲載されていた特養のうち、乱数表を用いて無作為抽出した施設から順に電話で研究協力を依頼し、研究協力への同意が得られた3施設に勤務する多職種職員（看護職、介護職、生活相談員、介護支援専門員、栄養士、機能訓練指導員など）13人であった。職員個々では気づかない具体的で多様な生の意見を収集するために、看取りに関わる多職種チームを対象にフォーカス・グループ・インタビューを実施し、データを収集した。インタビュー内容は、参加者の同意を得て録音し、逐語録を作成した。分析は高齢者看護の実践経験者または高齢看護学の研究者と共に行い、収集したデータは、帰納的にカテゴリー化した。
【結果】対象者の平均年齢は46.8（SD 9.6）歳、特養での看取りの平均経験回数は11.1（SD 11.6）であった。現在、データを分析中である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、令和3年度に6施設の多職種チームを対象にフォーカス・グループ・インタビューを実施する予定であった。しかし、現在までにインタビューできたのは3施設である。施設の規模や看取りの実施状況により、多職種チームが看取りにおいて配置医師及び協力医療機関に期待することなどに違いがあると考えられるため、さらに調査を継続する必要がある。
また令和4年度は、フォーカス・グループ・インタビューで得たデータの分析を踏まえ、全国の一般病院または一般診療所を対象とした質問紙調査を実施する計画であった。しかしフォーカス・グループ・インタビューが終了していないため、調査票を作成できていない。
以上のことから、本研究の進捗は遅れていると判断する。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本研究を遂行する上での課題は、COVID-19の影響による調査の遅延である。
令和5年度は、引き続き本研究への協力施設を募り、承諾が得られた3施設の多職種チームを対象にフォーカス・グループ・インタビューを実施する。なお、COVID-19等により施設でのインタビューが難しい場合は、遠隔会議システムを利用することで、研究への協力施設を確保したい。それでも3施設の確保が難しい場合は、先行研究および協力が得られた施設のデータをもとに、多職種チームが看取りにおいて配置医師及び協力医療機関に期待することを明らかにし、一般病院または一般診療所を対象とした質問紙調査の実施を目指す。
|
| Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れているため、令和5年度は以下の3つの調査に係る経費が必要となった。
①令和3年度に計画していた多職種チームを対象としたフォーカス・グループ・インタビューのうち、残された3施設のインタビューに係る費用。②令和4年度に計画していた一般病院又は一般診療所（1000施設）を対象とした質問紙調査に係る費用。③令和5年度に計画している多職種チームと医療との連携モデルの試作及びモデルの適合性の検証に係る費用。
令和5年度は、上記①～③の調査を順次実施する予定である。
|
