2021 Fiscal Year Research-status Report
当事者家族のニーズを引き出すピアサポートーラップアラウンドの活用
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21K02009
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Research Institution | Hanazono University |
Principal Investigator |
久保 樹里 花園大学, 社会福祉学部, 准教授 (10803679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 一郎 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (10711939)
林 浩康 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70254571)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ピアサポート / 当事者主体 / 地域基盤 / チームサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
地域を基盤として社会的養育支援のチームアプローチであるラップアラウンドを日本において実装する素地づくりとして、令和3年度は①先行研究整理、②フィールドワークとインタビュー調査を予定していた。①については、先行研究の整理として子どもの社会的養育の分野における支援過程における課題とピアサポートの現状の把握のために、文献収集と整理を進めた。林は社会的養育の変遷について「児童福祉政策における養育観」として著作を出版(尚学社)した。久保は、ピアサポートの重要性について日本子ども虐待防止学会かながわ大会において発表を行った。(「子どもの声を聴く支援―要対協の活用、当事者の声、ピアサポートの活用ー」等)②については、新型コロナウイルスの影響により、予定していた出張を伴う研究会開催、フィールドワークや調査がほぼできなくなり、計画の変更を余儀なくされた。そのため、共同研究者とはオンラインでの今後の調査研究に関しての打ち合わせ会議を持ち、今後の研究計画について再考し、文献収集やラップアラウンドを現場実践者に周知することから始めることとなった。後半では一部、オンラインで調査対象先から聞き取りができるようになり、調査を再開した。加えて、久保が関係する自治体に対して、ラップアラウンドについての情報提供を行ったことにより、自治体や民間支援機関の数か所が実装に興味を示しており、令和4年度の調査研究につなげていく素地ができてきたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で、出張が制限されたため、対面での研究会や、現場でのフィールドワーク、ピアサポーターへのインタビュー調査がほぼできなくなり、大きく予定を変更することになった。令和3年度については文献収集や整理により、著作や学会発表を実施できた。研究会については、オンラインを活用して実施することができ、インタビュー調査についても一部オンラインを活用して、実施できることとなったが、当初の予定よりはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
久保が関係する自治体や民間支援団体に対し、ラップアラウンドについて説明を続けてきたところ、ラップアラウンドについては興味を示すところが多かったが、ピアサポーターをみつけること、養成すること、専門職との協働についての質問が多数出た。ピアサポーターとの協働に向けて、今後は、米国のピアサポーター、ピアサポーターと協働する支援専門職、ラップアラウンド養成に携わる養成団体に対するインタビュー調査を行い、米国がどのような過程を経て、ピアサポーターとの協働を進めたのかを明らかにしていきたい。また日本における子ども分野のピアサポーターにもインタビュー調査を行い、日本の現状把握と課題について明らかにしていく予定をしている。加えて、日本におけるラップアラウンドのピアサポーター養成について検討を行う予定である。久保についてはラップアラウンドについて著した著作が2冊出版される予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定していたインタビュー調査がほぼできなくなり、交通費などの経費を使用することができなくなった。差額は令和4年度のインタビュー調査に係る交通費などに使用する。
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Research Products
(10 results)