2021 Fiscal Year Research-status Report
ボランティアの個人主義化と地域福祉:クリティカル・ボランティアリング概念の可能性
Project/Area Number |
21K02010
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桜井 政成 立命館大学, 政策科学部, 教授 (90425009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 遼 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (40823167)
市川 享子 東海大学, 健康学部, 講師 (80803395)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ボランティア / クリティカル・サービス・ラーニング / 地域福祉 / 個人主義化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまず1年目から先行研究を考察・整理することによって、「クリティカル・ボランティアリング」概念を仮説的に構築していく(文献の検討)。そしてエピソディック・ボランティアがもつ地域コミュニティへのまなざしを明らかにし、それを生かして最終的に「クリティカル・ボランティアリング」の理論的妥当性と、それを用いたコーディネート実践によってエピソディック・ボランティアを地域へ包摂し、福祉コミュニティ発展にどうつなげるかを検討することを目的としていた。 一年目の2021年度において具体的に文献の検討をするために文献収集と整理を行った。分析方法についてはスコーピング・レビューを用いることにした。スコーピング・レビューは、幅広い水準の研究文献をレビュー対象とし、レビュー対象となる研究領域の主要な概念、性質や範囲、利用可能なエビデンスなどを特定し、マッピングすることを目的とした文献レビューの方法論のひとつである。クリティカル・ボランティアリングは造語であり関連した単語による幅広い研究の収集が必要であるため、この方法を用いることとした。EBSCOの中にある教育系のデータベース2つと社会科学系でマストなデータベースを選択し、検索ワードとして「service-learning」、「community partner」、「effect outcomes」、「benefit impact」を用いて論文の検索を行った結果、796件の論文が選択された。 また研究分担者とも研究会を行ったが、基本的な認識の擦り合わせや、知識の共有に重きを置いたため、具体的な研究成果が生み出されるのは今後の展開に期待するところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はコロナ禍によって研究者のエフォート率を高めることがままならない状況が生まれていた。あわせてそれに影響された研究代表者の体調不良も大きな研究遅れの原因となっている。こうした状況において今後、無理にエフォート率を生み出すことは現実的な方向性ではない。2022年度も業務量の減少は期待できず、どのように研究を完遂していくかは大幅な研究の目的及び内容の方向性の変更と、それに合わせての効率的な研究実施の方法の変更の両面的な改革を行うしか見込めない。しかしそれは当初の研究目的を損ねることのないように行わねばならないが、研究代表者の健康状態を保つことを前提としつつ、エフォート率が高められない労働・生活環境の中ではどこまで現実的に行うことができるのかはわからない。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のように研究遅れを解消するための決定的な方策は、エフォート率が高められない労働・生活環境の中で今のところ見出せていない。しかしひとまず計画としては、2022年度の研究に向けては第一に、スコーピング・レビューの完成に向けて研究を進めていきたいと考えている。これについては2021年度に進めているものを着実に実施していくことになるが、研究協力者・分担者の協力を得てなんとか進めたいと考える。 また同時に、研究分担者との連携を深めることによって、クリティカル・ボランティアリング概念の明確化とそれについての地域福祉、サービスラーニングでの応用可能性を検討していきたい。これについてはクリティカル・サービスラーニングの概念的・実践的検討を研究会を開きながら行っていくなどを考えている。
|
Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍によって研究者のエフォート率を高めることがままならない状況が生まれていた。あわせてそれに影響された研究代表者の体調不良も大きな研究遅れの原因となっている。研究遅れを解消するための決定的な方策は、エフォート率が高められない労働・生活環境の中で今のところ見出せていない。しかしひとまず計画としては、2022年度の研究に向けては第一に、スコーピング・レビューの完成に向けて研究を進めていきたいと考えている。これについては2021年度に進めているものを着実に実施していくことになるが、研究協力者・分担者の協力を得てなんとか進めたいと考える。 また同時に、研究分担者との連携を深めることによって、クリティカル・ボランティアリング概念の明確化とそれについての地域福祉、サービスラーニングでの応用可能性を検討していきたい。これについてはクリティカル・サービスラーニングの概念的・実践的検討を研究会を開きながら行っていくなどを考えている。
|
Research Products
(2 results)