2021 Fiscal Year Research-status Report
アクションリサーチによる「性と生の健康教育プログラム」開発と人材育成の取組
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21K02012
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
岡本 晴美 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (80331859)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 性と生の健康教育 / プログラム開発 / アクションリサーチ / 人材育成 / 児童養護施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究者と当事者が現場の課題解決に向けて協働するアクションリサーチの手法を用いて、現場の課題解決をめざすと同時に人材育成を促進する方法についての示唆を得ることを目的としている。研究フィールドは、協力関係にある児童養護施設であり、取り組むべき課題は現場が提示した子どもたちの性の問題への対応である。 元来、アクションリサーチは、研究者が現場に介入しながら当事者とともに課題解決に向けて協働することから、その目的は課題解決という実務的な部分に重きが置かれる。当該研究では、実務的な部分である課題解決をめざすとともに、そのプロセスそのものが人材育成を促進する重要な機会となることを明らかにする。この課題解決プロセスで得られる知見は、広く児童養護施設など社会福祉施設において人材育成を試みる際の方法論を構築するための示唆となり得ると考える。 上記の目的を達成するために、本調査研究の期間を5年間で設定している。2021年度は、研究期間の初年度にあたり、子どもの発達段階に即したプログラム開発を予定していた(「幼児・小学生版プログラム、中高生版プログラム」)。児童養護施設の現場職員とともに、協議を重ねながら、ともにプログラム開発に取り組むこととしていたが、コロナ禍の影響もあり、共同作業の日程調整が出来なかったこと、加えて、学内のコロナ関連業務に多くの時間を割く必要があり、研究を進めることが困難な状況にあった。そのため、本来であれば、対面で共同作業を行うところ、メール等のやり取りで情報共有をすることとなり、制約のある中ではあったが、現場職員の側面的支援を行いながら、「幼児・小学生版プログラム」の開発については着手することが出来ていることが成果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」にも記載したように、2021年度は前年度に引き続きコロナ禍の影響を受け、学内業務に多くの時間を割かざるを得ず、調査研究に必要な共同作業のための打ち合わせの調整がほとんどできない状況に陥ったため、「現在までの進捗状況」を「遅れている」とせざるを得ない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に予定していた子どもたちに提供するプログラム開発のうち、「幼児・小学生版」の精査とともに、「中高生版」のプログラム開発に着手する予定である。すでに、試行的に子どもたちへの提供を開始しているが、計画的実施に至っていない部分もあり、また、担い手となる職員の育成システムの構築も同時並行的に行っていく必要があるため、その点についての検討を協力施設とともに行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、主として以下の2点の状況において、調査研究の遂行に支障を来したことが大きな理由である。まずは、コロナ関連の対応のために学内業務が多く発生し、そのための時間捻出が最優先となったため、研究を計画的に遂行できなかったこと、2つめは、コロナ禍の影響を受け、県外移動が不可能となる期間が長期に渡るなど、当該施設への訪問の見通しが立たず、共同作業が十分に進められなかったことにより、次年度使用額が生じている。 次年度は、コロナウイルスの感染拡大防止に努めながら、可能な状況の際には、協力施設への訪問を実現し、共同作業を進める。また、当該研究の充実のために予定していた他施設等による取り組みの現状について訪問調査を実施する予定である。
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