2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K02027
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
横山 登志子 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (00295916)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | フェミニスト・ソーシャルワーク / ソーシャルワーク / 母性主義 / 母親規範 / 女性抑圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェミニストソーシャルワークに関する国内外の文献を収集し、女性抑圧に関するメルクマールと考えられる母性主義に関する論文をシングルマザー支援に引き付けて論考した。研究成果は海外出版社からの専門図書の分担執筆として原稿を作成した(2023年中に出版予定)。内容は、ソーシャルワークにおける2つの母性主義について理論的に論じたもので、従来の本質主義的な母性主義の再概念化あるいは相対化を意図したものである。シングルマザー支援における適用を意識した実践的示唆を行った。また、コロナ禍もありフィールドワーク先(札幌市内のNPO法人)には、定期的な訪問予定がかなわず、数回の訪問・研修のみであったが、職員へのインタビュー調査を行い、女性支援の実際と課題について聞き取りを行った。さらに、フェミニスト理論および女性福祉・女性支援に詳しい専門家(研究者)4名を招いての研究会を実施し、本研究に基づく成果報告を行って意見を交流した。この研究会は参加者の同意を得て最終年度まで継続して年に2回実施することを決定した。今回の研究会では研究代表者の報告に関して専門的立場からコメントをもらう形であったが、次回からは参加者の研究テーマに基づく研究報告を依頼し、広く女性福祉・女性支援の観点から研究交流を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究計画についてはおおむね順調に進展している。本研究に関する国内外の図書や先行研究の論文、女性支援活動団体の情報収集などを行った。ただし、コロナ禍のためフィールドワーク先への定期的な関与は制限を余儀なくされた。そのなかでも、活動そのものに関するヒアリングおよび事例検討会への参加、スタッフへのインタビュー調査は実施できた。またこの分野における専門的知識を有する研究者へのヒアリングは、同様の理由から研究会方式(オンライン)に変更したが、むしろ研究交流は期待以上であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2022年度に取りかかった共著出版の論文(原稿)の完成にむけて取り組むことと、研究会を夏と冬に開催し、参加者であるこの分野の専門家(研究者)との研究交流をより深く行っていく。またフィールドワークにおいては、わが国における先進的な活動を行う女性支援団体に関して情報を収集し、インタビュー調査を行う。
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Causes of Carryover |
フィールドワーク先への交通費等がコロナ禍という事情から少額であったことや、同様の理由で専門的知識を有する研究者へのヒアリングを研究会方式(オンライン)に変更したことによる経費削減である。 次年度の使用計画としては、国内で先進的な活動を行う女性支援団体へのヒアリング調査に使用する予定である。
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