2023 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉法人の地域貢献としてのコミュニティソーシャルワークに関する実証研究
Project/Area Number |
21K02032
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
妻鹿 ふみ子 東海大学, 健康学部, 特任教授 (60351946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 智明 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (00515736)
岩本 裕子 関西国際大学, 教育学部, 講師 (00632358)
石井 祐理子 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (10367956)
南 多恵子 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (10455040)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会福祉法人 / 地域貢献 / コミュニティソーシャルワーク / 事例研究 / 質的調査 / マネジメント / ミッションの構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は9法人へのインタビュー調査の結果としてのテキストデータの分析作業を行い「社会福祉法人の地域貢献としてのコミュニティソーシャルワーク実践」がどのようなものであるかを探索的に明らかにした。本研究に連なる2018-2020研究「住民との協働における福祉施設の先進事例研究」から導出した7つの仮説をベースにインタビューガイドを作成してインタビューを実施し、テキストデータを質的に分析した。具体的には質的データ分析法とKJ法によって行った。 質的データ分析では演繹的、帰納的両方のアプローチを用いて分析した。すなわち演繹的にデータを①地域特性と課題②法人特性③地域貢献活動の内容④マネジメント体制⑤地域貢献に取り組んでのプラス評価⑥実施にあたっての難点⑦社会福祉法人の持つ強みと弱み⑧今後の展望という8項目をカテゴリーとして、テキストデータを分類し、項目ごとに帰納的にコーディング→サブカテゴリーの生成を行い、そのサブカテゴリーを検討し、コード・マトリックスを作成し、理論化の作業を行った。 明らかになったことは地域貢献活動が事業として成果を出すには一定の構造で構成されるプロセスを踏まなければならないということである。その構造とは、①ミッションの再構築とそれを組織内に染み込ませる工夫②地域貢献のできるマネジメント体制の構築がベースにあり、そこに決定打としての「トリガー」が加わる、という図式で描かれるものである。 KJ法による分析では10の島に統合することができ、一匹狼のラベルが5枚生成された。 社会福祉法人の地域貢献活動は、中長期戦略に基づいて行われるまちづくり志向の活動であると共に、地域介入によって地域や個別の住民のニーズ対応でもあった。その際、職員や住民のマネジメント体制の構築も意識されていた。地域貢献活動はすなわちコミュニティソーシャルワークの実践であることが明らかになった。
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