2021 Fiscal Year Research-status Report
精神障がい当事者が研究を支援する活動の広域制度の設計とその評価
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21K02034
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
桂川 純子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (40369608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 香代子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (00344599)
北岡 和代 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (60326080)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / 共生社会 / 遠隔システム / 地域生活支援 / 研究者支援 / リカバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、2019年対面で行っていた、精神障がい者(以下当事者とする)「が」精神保健福祉研究者「を」支援する活動J-SUGAR(Japan Service User Group Advising on Research)を、遠隔システムを利用して再構成し、参加する当事者および研究者の立場からその有用性について評価することである。 2021年度まず、わが国当事者のインターネット使用状況を資料等から確認した。当事者のインターネット利用状況は全体と比較して少なかった。遠隔システムを用いた実践例が、コロナ禍に関連していくつか確認できた。これらを参考に、インターネットを日常的に使用していない当事者、あるいはほとんど使用したことがない当事者が、遠隔での活動に参加する方法を、元当事者の意見も取り入れ検討した。2~3手順でZoom会議室にログインできるよう設定したタブレットを準備して専用で用いること、支援者とともに感染予防対策を行って少人数で集まれる場をつなぐことで、実施可能であることがわかった。この過程で、「J-SUGARは自分の病の体験が社会の役に立つ場である」と実感した当事者らが、コロナ禍でもつながりや自身の体験を有意義に発揮できる場を模索していることが明らかになったので、アクションリサーチの方法で研究計画を立案し、倫理審査で承認を得た。 今後、実際に研究者への助言をする活動を複数回実施し、J-SUGARを遠隔で実施することの意義と有用性について、当事者、助言を受ける研究者双方の視点から、明らかにすることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、HPの作成などにより広報を行う予定であったが、この点について、作成システムや内容の検討を行ったが、完成には至っていない。必要性を再検討し、計画を修正する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、学会ワークショップを企画し、本活動を精神保健医療福祉の研究者に広報する。また、実際の助言活動を4回行う予定である。 これらの過程で、J-SUGAR実施自体の当事者・助言を受ける研究者双方の視点から見た意義と課題、当事者の当事者が遠隔システムを用いることと支援体制について検討する。当事者へのJ-SUGAR参加による影響については、日本語版24項目Recovery Assessment Scale(RAS)、日本語版Rosenberg Self Esteem Scale(RSES-J)により、実施前後の比較をする計画である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、対面での準備を行うため旅費を計上していたが、遠隔により対応可能であったこと、HPの作成など広報活動が未着手であることにより、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、当事者を含めた学会への参加および消耗品の購入費用、HP作成に充当する予定である。
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