2021 Fiscal Year Research-status Report
障害者雇用の促進に関する公共調達・入札制度の国際比較研究
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21K02037
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岸 道雄 立命館大学, 政策科学部, 教授 (20330011)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 公共調達 / 社会的価値 / 障害者雇用 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、日本国内における公共調達を通じた社会的価値の実現、特に障害者雇用の推進について現地ヒアリング調査を行う予定であったが、コロナ禍が続いたため、英国を中心に公共調達を通じた社会的価値の実現の取り組みについて、文献、各ウェブサイトから入手可能な資料、情報に基づき、調査研究を実施した。 英国は、2014年EU公共調達指令の内容に関して、2015年公契約規則(Public Contracts Regulations 2015)により国内ルール化している。英国は、2014年EU公共調達指令が発効される前に、公共調達において社会的価値を考慮することを定めた法律、すなわち、2012年公共サービス(社会的価値)法(Public Services (Social Value) Act 2012)を2013年1月に施行していたが、2012年公共サービス(社会的価値)法に基づく取り組みにいくつかの課題があることが指摘されていた。 2020年9月に英国政府は、“Procurement Policy Note- Taking Account of Social Value in the Award of Central Government Contracts”, Action Note PPN 06/20を公表した。これにより、社会的価値を考慮した新たな公共調達モデルを明らかにし、2021年1月から実施している。PPN 06/20に基づき、英国中央政府のすべての省、執行庁(Executive Agencies)、政府外公共機関(Non Departmental Public Bodies)は、入札の全体の評価において、少なくとも10%のウェイトを社会的価値に与えることが義務付けられた。これは世界でも初めての取り組みであり、日本にとっても示唆に富む動きと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に書いたように、コロナ禍のため、2021年度の研究計画について修正する必要があったが、英国の公共調達における社会価値の実現の取り組みについて調査研究を行うことができた。これは2022年度以降の研究計画の先取り的な位置づけとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、文献、各ウェブサイトから得られる資料、情報および、現地ヒアリング調査により、今後の研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度もコロナ禍が続いたため、国内出張による現地ヒアリング調査を行わず、文献、各ウェブサイトから得られる資料、情報に基づき調査研究を実施し、予定していた旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。 2022年度以降において、新型コロナウイルスの感染拡大状況を考慮し、国内外の出張を伴う調査を行うタイミングについて判断する。出張を行わない場合でも、代替的手段による調査研究を実施する。
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Research Products
(1 results)