2021 Fiscal Year Research-status Report
高等教育機関における発達障害学生を対象とした就労移行支援プログラムの提案
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21K02040
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小田桐 早苗 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10461245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 茜 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20412257)
諏訪 利明 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (70633840)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | T-STEP / 発達障害 / 高等教育機関 / 就労移行支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等教育機関における発達障害学生への修学から就職までをサポートするプログラムの開発を目的とする。その方略として、米国で発達障害学生への支援として高等教育機関で実践されているT-STEPを日本の高等教育機関に応じた支援プログラムを導入し、その成果について検討を行うものである。 2021年度は、発達障害学生の就職困難に関する要因検討のため、文献収集を行うことを1点目の計画とした。本調査により、発達障害学生における就職への移行困難さの状況、支援実態を把握することとした。本調査においては、研究代表者小田桐により実施した。先行研究を調査する中で、自分自身のうまくいかないと感じている実感に対し、どこに助けを求めるのか、何に取り組めば解決へとつながるのかといった答えを見つけられないことによる葛藤が主とした悩みであることが見いだされた。 さらに、同年にノースカロライナ大学TEACCH Autism Programで支援を受ける学生を対象とした就学・就労移行プログラム(T-STEP)の視察及びインタビュー調査を行い導入への実際的検討を行うこととしていた。しかし、コロナ禍の影響もあり、米国での調査を2021年度に実施することはかなわなかった。そこで、2021年度は、TEACCH Autism Programの実施するT-STEPを含めたWebnerを研究代表者、研究分担者において受講し、高等教育機関における発達障害障害者への支援実践の具体的な内容について情報を集めることができた。さらに、研究代表者は、TEACCH Autism Programについてのアドバンス研修についてもwebnerにて受講し、最新の情報収集に努めた。 研究組織内においては、定期的に研究遂行のための勉強会を開催し、先行研究に関する情報、研修で得られた知識の共有や研究への活用について話し合いを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に計画された内容として、2点ある。1点は、先行文献調査である。本調査については、文献収集等を順調に進めることができており、文献の整理に入っている段階である。やや遅れているという評価とした点は、2点目の計画としていた米国ノースカロライナ大学TEACCH Autism Programへの視察およびインタビュー調査の実施が叶わなかった点である。コロナ禍の状況から、渡米することが叶わず、次年度へと先送りすることとなった。そのため、2021年度に実施可能な点として、TEACCH Autism Programの実施するwebnerを受講し、最新情報の収集を行うこととした。その情報から、実際に実施する上で、高等教育機関における連携の取り方や使用するワークシート等についての情報を得ることができた。さらに、研究計画としては実施できなかった項目もあるが、研究代表者および研究分担者において定期的な打ち合わせを行い、計画修正についても検討を行ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に実施予定であったTEACCH Autism Programでの視察・インタビュー調査の実施ができなかった点については、2022年度内での実施について調整を行っている。また、視察が叶わない場合については、webを通してTEACCH Autism Programのスタッフとのインタビューや情報収集を検討している。 2022年度は、上記に加え、国内における先駆的な取り組み例についても情報収集を行う予定であり、コロナ禍の状況を鑑みながら、調査を遂行する予定である。 モデル的な実践については、今年度の状況により、2023年度へ計画変更も検討しており、現実的に可能な形での研究実践計画を研究組織内にて常に話し合いながら進めることができると思われる。
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Causes of Carryover |
2021年度に実施予定であった米国ノースカロライナ大学TEACCH Autism Programでの視察・インタビュー調査の実施が、コロナ禍における情勢から実施が叶わなかったことが影響している。現在、TEACCH Autism Programでの視察・インタビュー調査の実施へ向けて、調整を行っており、2022年度の実施を予定しており、翌年度分として請求する助成金については、当初計画した内容について、2022年度実施するためである。 今年度請求する助成金については、当初の研究計画の遂行のため必要な経費として請求する。
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