2021 Fiscal Year Research-status Report
Decision-making process of medical care for people who have no relatives and have difficulty in decision-making
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21K02056
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Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
山崎 さやか 健康科学大学, 看護学部, 助教 (60784585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10210337)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身寄りがない人 / 意思決定が困難な人 / 医療の決定プロセス / 臨床倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
身寄りがなく意思決定が困難な人の医療の決定プロセスについて国内外の先行研究のレビューを実施した。身寄りがなく医療に係る意思決定が困難な人の先行研究は主に米国で蓄積があった。 先行研究によると、身寄りがなく意思決定が困難な人の医療には、過剰医療、過小医療、治療の遅延、患者の意思を反映できない等の課題が山積していた。米国では、身寄りがなく医療の決定が困難な患者の増加が懸念される一方で、身寄りがない患者に対して、誰が治療方針を決定すべきか、あるいはどのような基準で治療方針を決定すべきかについて言及している法律や専門機関の方針声明はほとんどない現状である。 身寄りがなく意思決定が困難な人の医療的課題に対する州法やアプローチは多様であった。米国における代表的な医療の決定プロセスとしては、医療チームによる決定、倫理委員会による決定、主治医による決定、PPP:Patient preference predictorのようなコンピューターによる決定等が挙げられるが、それぞれのプロセスにメリットとデメリットがありコンセンサスを得ている方法は無かった。 国内においては身寄りがない患者の医療の決定についての実践報告が少数あったが、医療の決定プロセスや課題を、量的または質的に分析した研究は見当たらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の先行研究をレビューし、主に米国における身寄りがなく意思決定が困難な患者の医療の決定プロセスの課題が明らかとなった。加えて、課題に対する多様なアプローチ方法と、それら方法のメリットとデメリットを理解した。海外の文献レビューにより、国内で身寄りがなく意思決定が困難な患者の医療の決定プロセスを調査するための示唆を得ることができた。 日本における先行研究の蓄積が少なかったため、定量調査の実施は困難であると判断し、当初の研究計画を変更した。身寄りがなく意思決定が困難な患者の医療の決定プロセスについて、定性調査の実施とデータの質的分析をして、日本における医療の決定プロセスや課題を明らかにすることを本研究の目的とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の時点では、身寄りがなく医療に係る意思決定が困難な人の医療を、医療・ケアチームで決定した経験のある医療従事者を対象として質問票調査及びインタビュー調査を実施し、医療・ケアチームによる医療の決定プロセスの実態把握した後にチェックリストを作成することを目的としていた。しかし、日本において、身寄りがなく医療に係る意思決定が困難な人の医療の決定プロセスを調査した先行研究がほとんどなかったため、現段階で課題を網羅する質問票を作成することは困難であると判断した。 したがって当初の計画を変更し、まずはインタビュー調査を実施して、身寄りがなく意思決定が困難な患者の医療の決定プロセスを質的に分析し、日本における医療の決定プロセスや課題を明らかにすることを本研究の目的とした。
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Causes of Carryover |
物品購入において希望商品(ノートパソコン)の発売が遅れたため、2021年度に購入ができなかった。次年度使用額は、2022年度にノートパソコン(2021年度購入予定であった物品)を購入するために使用する。
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