2021 Fiscal Year Research-status Report
地域における障害者スポーツ推進のためのコーディネート組織に関する研究
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21K02060
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
奥田 睦子 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (90320895)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神障害者 / スポーツ / 地域 / 組織間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
I県内の総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)において、スポーツ教室事業の一つに、2022年4月から精神障害者を含むソーシャルフットボール教室が位置づけられた。本事例について、組織のコーディネートの観点から総合型地域スポーツクラブの中の一教室として位置付けられるまでの過程についての調査を行い、以下の結果を得た。 精神障害者への福祉サービスを提供している組織の職員(B氏)がボランティアで週1回、平日夜に勤務先の利用者である精神障害者およびその家族や友人等を対象としてフットサルのサークルの立ち上げ、その後、同業の福祉組織にも声をかけ参加者を増やしていった。また、B氏は地元のフットサル団体関係者や総合型クラブの関係者とも個人的なつながりを有していたことから、フットサル団体との連携に際して仕事とは別に無償で事業部マネージャーの業務を担い、この団体を介して精神障害者のフットサルの推進をはかっていった。さらに、フットサルのサークルの参加者の中から多くの人と交流したいという声があがったことから、既に知的障害者の陸上教室を有している総合型クラブに精神障害者を含むフットサルサークルを教室化することを依頼した。このような経過を経て、総合型クラブの一教室となった。本事例においては、福祉事業、スポーツ指導(フットサル)、総合型クラブのいずれにも精通していたB氏がキーパーソンであり、コーディネーターの役割りを果していた。すなわち、コーディネート組織を先に作って複数の団体の連携を促進したのではない。今後、コーディネート機能が総合型クラブに移動することも考えられるが、機能だけを総合型クラブに移動した場合、その機能がB氏個人のネットワークと意志に依存していたことから、総合型クラブ関係者と連携する組織の関係者の関係性をどのように維持、発展させていくのかが課題となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
訪独して資料収集することが、新型コロナウィルスへの感染予防のため実施することができなかった。また、オンラインを用いた資料収集について、資料収集先が医療や福祉等に関係する機関・組織であるため、コロナ禍で多忙を極めており依頼し難い状況であったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もコロナ禍が続くことが予想されることから、訪独できないことが続く場合には現地のコンサルティング会社を通じて、資料収集を行うことを検討する。また、そのための準備として、資料収集先の絞り込みを行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染感染拡大予防のため、訪独による資料収集が実施できなかった。そのため、訪独のために計上していた経費を2022年度に繰り越した。2022年度においては、新型コロナウィルスの感染状況を見極めながら、可能であれば訪独し資料収集を行う。その際、入国後に待機期間が生じる可能性があることから、その場合は予定していた訪独期間を延長して対応する。また、訪独を控えた方が良い状況が継続される場合には、無理して訪独せずに国内調査を中心に実施すると共に、現地のコンサルティング会社を通じて資料収集する方法を検討する。その際、コンサルティング会社とのやりとりに一部、経費を計上することを検討する。
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