2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel in vitro skin sensitization assay with predictive ability comparable to animal studies
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21K02070
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
黒瀬 光一 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30280754)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 代替法試験 / 免疫原性試験 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が開発したRPB-h-CLAT法において、これまで24時間を要した被験物質の曝露時間を5時間に短縮することを試みた。THP-1細胞に代表的な感作性物質と非感作性物質を曝露し、total RNAを抽出した後、mRNA-seq解析に供した。感作性物質に対し特異的に発現変動した12遺伝子を選別し、Real-time RT-PCR解析を行った。その中からmRNA-Seq解析結果と整合性のみられた5遺伝子をマーカー候補として選択した。次いで、別の感作性物質7種と非感作性物質2種を用いて5時間曝露における候補マーカー評価をReal-time RT-PCR解析により行った。以上により、曝露時間短縮によっても感作性を正しく評価可能なマーカー候補遺伝子と評価基準を検討した。その結果、曝露時間を5時間に短縮した場合においても、RPB-h-CLAT法による感作性評価が可能であることが示された。 一方、化学物質の代謝活性化による感作性を検出可能にするために、代謝活性化に関わるcytochrome P450(CYP)分子種とP450 oxidoreductase (POR)とを安定的に共発現するTHP-1細胞株の樹立をめざし、昨年実施したCYP1A1とPORに加えて今年度はCYP2E1とCYP3A5のcDNAを、Episomal発現 Vector であるpEBMulti-Neoにそれぞれサブクローニングした。なお、cDNA塩基配列を調べた上で、活性低下をきたす変異をSite Directed Mutagenesis法により取り除いた。次いで、遺伝子導入の困難なTHP-1細胞での安定発現株を樹立するために黄色蛍光タンパクeYFPをpEBMulti-Hygにサブクローニングし、蛍光顕微鏡でモニタリングしながらトランスフェクション効率を最適化し、PORとCYP3A5の遺伝子導入に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PORとCYP3A5の遺伝子導入に成功したが、各CYP/POR安定共発現株の樹立には至っていないので、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. RPB-h-CLAT法において、既知の感作性・非感作性の化学物質をさらに用いて、被験物質の曝露時間短縮(5時間)への適合性を、感作性評価マーカーと感作性評価基準の観点からバリデーションを行う。 2. 化学物質の代謝活性化に関わっているcytochrome P450(CYP)分子種およびcytochrome P450 oxidoreductase (POR)を安定共発現するTHP-1細胞株を樹立する。樹立したCYP/POR安定発現THP-1細胞株を用いて、代謝活性化する既知の化学物質の感作性を正しく評価できるのか否かを確認し、化学物質の代謝活性化による感作性の評価手法を開発する。
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Causes of Carryover |
理由: 前年度未使用額があり、それを本年度中に使用しきれなかったことが、次年度使用額の生じた理由である。 使用計画: 使用費目は物品費、旅費等、本研究遂行において必要な経費に使用する。消耗品に関しては、実験のための試薬や培地とチューブやプレートなどの実験器具の購入に充てる。
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