2021 Fiscal Year Research-status Report
ファインバブル水を用いた布の洗浄現象の解析および最適利用法の提案
Project/Area Number |
21K02084
|
Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
田川 由美子 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (40207808)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 景子 奈良工業高等専門学校, 校長, 校長 (30243356)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ファインバブル / 水系洗浄 / 洗浄性評価 / 人工汚染布 / 接触角 / 表面張力 / すすぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
ウルトラファインバブル(UFB)水のすすぎ効果について調べた。フィルム洗浄では,ポリエステルフィルムにカーボンブラック(CB),赤土(RC)を付着させて洗浄率を調べたが,顕微鏡画像の解析が困難であった。そこで,高解像度デジタルカメラにより再度実験を行うことにした。布洗浄では,ポリエステルスパン(PES)布およびポリエステルフィラメント(PEF)布に,CB,RC,オレイン酸(OA)を付着させた汚染布と,市販の湿式人工汚染布を用いた。界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液に浸漬後,UFB水あるいはイオン交換水(バブルなし)中で,手による振りすすぎ(60 rpm)あるいは撹拌すすぎ(400 rpm)をおこなった。その結果,UFB水によるすすぎ効果は認められなかった。次に,家庭用ドラム式電気洗濯機を用いて,PES布にCBまたはRC,CBまたはRCとOAとの混合汚れを付着させた人工試験布,および多成分汚れを付着させた市販湿式人工汚染布を負荷布に縫い付けて,浴比1:15 で1分間洗浄した。洗浄剤には,標準洗剤(JAFET製)を用いた。すすぎは,1回目水道水,2回目は水道水あるいはUFB水で各3分間行った後,1分間脱水して風乾した。その結果,CBおよびRCの単成分汚染布では,UFB水でややすすぎ効果が認められたが,油混合汚れおよび多成分汚れではすすぎ効果が認められなかった。 UFBの衝突力は微小であるため,緩く付着している固体粒子汚れや浮遊している汚れのみが吸着除去できたと考えた。UFB水とイオン交換水の表面張力および接触角を接触角計(接触角計DMs-301)で測定したが,表面張力に有意な差は認められず,接触角はUFB水でやや小さい程度で,洗浄性を左右する要因ではないと考えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
表面張力計,接触角計を購入するため,選定された複数のデモ装置を用いて,装置の動作確認および実験試料を用いた実験を行った。コロナ禍のため,デモ装置の納期や装置納品に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
ISO標準洗浄試験機を用いて,気泡径や気泡内成分が異なるファインバブル(FB)水による洗浄効果やすすぎ効果を調べる。 ①ISO標準洗浄試験機にFB水あるいは気泡を含まない水を適時に注入できる実用洗浄系システムを構築する。②実用洗浄系システムを用いて、ポリエステル布にモデル汚れを付着させた試作人工汚染布およびJIS湿式人工汚染布の洗浄実験を行う。洗い工程あるいはすすぎ工程で通常水あるいはFB水を用いる。これまでの研究から洗い工程の機械力によりすすぎ水による洗浄効果が異なることが確認されていることから、ISOの3種の洗いモードで洗浄する。③大気に替わりオゾンを注入したオゾンFB水を生成し、洗い工程あるいはすすぎ工程にオゾンFB水を適時使用して、布の消臭・漂白効果を調べる。
|
Causes of Carryover |
実験装置の選定と納入がやや遅れたため,次年度に実験を持ち越すこととなった。そのため実験消耗品および人件費に使用する。
|
Research Products
(1 results)